ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

宇宙の果てで恒星が光速の3倍のスピードで遠ざかる理由 世界初の解説に挑んだ本書「ドメイン」

 

私たちの宇宙はブラックホール内に丸ごと落ちた宇宙だった!驚愕の「シュワルツシルト宇宙論

Could Earth be inside a black hole?

この連載シリーズ「ドメイン」の第2扉デザイン画です。

 

 

この宇宙が、より大きな「親宇宙」にある超巨大ブラックホールの中にすっぽり収まっているという壮大な「シュワルツシルト宇宙論」。科学系NewsのLive Scienceが解説しています。

 

 

追加記事部分

同時にこの理論は宇宙の相当部分を占めているわからなかった未知の構造「ダークマター」が実はわたしたちの宇宙に堕ちた子宇宙だという❗️

 



Could Earth be inside a black hole? | Live Science
https://www.livescience.com/space/could-earth-be-inside-a-black-hole

 

 ブラックホールは光さえ逃れられないほど極端に重力が強いため、もし地球がブラックホールに飲み込まれればスパゲッティ化現象により引き延ばされ、最終的に跡形もなく粉砕され消えてしまいます😭

 


 

 

ですが、ある時点でブラックホールが地球を飲み込んだ? という可能性は排除できます。

 

 実は地球がブラックホールの中にある可能性はまだ他にも存在します。

 

 それは、地球や地球が位置するこの宇宙が最初からブラックホールの中で誕生したというシナリオ。

 



 シュワルツシルト宇宙論、あるいはブラックホール宇宙論とよばれるこの理論では、この宇宙は親宇宙の中であるブラックホールの中で膨張している最中であるとされています。つまり、ロシアのマトリョーシカ人形のように、宇宙の中にさらなる宇宙があるという入れ子構造になっていることになります

 

アメリカ・ロードアイランド大学のブラックホール物理学者であるガウラブ・カンナ氏によると、ブラックホールはビッグバンの逆バージョンのようなもので、数学的にも似ているとのこと。ブラックホールがあらゆる物質を飲み込む超高密度の小さな特異点に収束していくのに対し、ビッグバン理論ではまさにこうした特異点が爆発して全ての物質が誕生したと説かれています。

この説では、ビッグバンは初め、より大きな親宇宙にあるブラックホール特異点であったと仮定しています。

 

 

カンナさんは続けて、

「そして、ブラックホールの中にあるこの高密度の中心部が圧縮に圧縮を重ね、それが何らかの拍子に爆発すると、ブラックホールの中に赤ちゃん宇宙が形成されます」と、説明しました。

ブラックホール事象の地平面を越えてからまた戻ってくることはできないため、この説を証明することもほぼ不可能ですが、もしこの世界がブラックホールの中にあるとすれば、そのブラックホールはとてつもなく巨大な、宇宙規模のブラックホールだということになります。

 

 

マサチューセッツ大学ダートマス校の数学者であるスコット・フィールド氏は、「もし私たちがブラックホールの中にいるとしたら、それは非常に大きいはずです。地球が惑星サイズのブラックホールや、太陽系サイズのブラックホールの中に閉じ込められている場合、科学者はとっくにそれに気づいているでしょう。もしそうなら、ブラックホールの自転が観測できるでしょうし、ブラックホールの中で人が動いたら、極端な重力が引き起こすゆがみ、つまり時間が遅くなったり物質が伸びたりするのを見ることができるからです」と話しました。

また、カンナ氏は「もしブラックホールの内側にいるとしたら、地球人が別の宇宙の存在する方法はないと思います。ですから、私たちの宇宙の前身を見つけるのは、控えめにいっても大変難しいことです。しかし、もしこの理論が本当なら、それは素晴らしいことです」と話しました。

 

Dr. Khanna is a Professor in the Department of Physics and the Director of Research Computing at URI

 

 

 

 宇宙の最大の謎とも言える「ダークマター」の正体も解明されるかもしれない。

銀河の回転運動や他の銀河、人間が存在を知っている物質だけでは明らかに質量が足りないほど強い重力が働いているような振る舞いをしている。

 

具体的には人間が知覚できる通常の物質の5-6倍程度の質量を持った未知の物質がないと、この宇宙の様々な運動を説明できないのだ。

 

ダークマター

 

 

 ダークマターは人間が知っている物質の5-6倍程度の質量を持っていることは間違いありませんが、その正体は全くわかっておらず、未知の天体説、未知の素粒子説など様々な説があります。

そんなダークマターの正体の候補の一つに、今回の原始ブラックホールがあるんですね!

確かに人間が知らないだけでこの宇宙に無数の原始ブラックホールがあれば、未知の質量を上手く説明することができそうです。

 

●PBH=子宇宙!?

 

Credit: Kavli IPMU

 

そして原始ブラックホール関連の理論の一つに、原始ブラックホールは実はインフレーション時にこの宇宙に誕生した、より小さな宇宙にあたる「子宇宙」が収縮してできたものであるという理論もあります。

この理論によると、私たちの宇宙(母宇宙)のインフレーションの間により小さい子宇宙ができ、その子宇宙の中でさらに小さい孫宇宙ができ…と続いて、宇宙が無限に出来上がるんだそうです。

その際形成された子宇宙はあまり大きくなければ勝手に収縮していくそうなのですが、それが収縮してできたのが原始ブラックホール、、

 

 

そして2020年のノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズ博士は子宇宙についてさらに面白い現象を予言しています。

形成された子宇宙の質量がある一定よりも大きい場合、外の世界(母宇宙)から見るとただのブラックホールですが、子宇宙の内部から見ると膨張し続ける宇宙に見えるんだそうです…

 

このように、なんと子宇宙を内部から見るのと外部から見るのとでは全く違った姿が見えるのだそうです!

余りに奇妙でもはやSFかと思えるほどの設定ですが、これもしっかりと理論的に語られている説です。

 

 

東京大学のカブリ数物連携宇宙研究機構とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の国際共同研究チームは現在、このような子宇宙の考え方をもとに原始ブラックホールの観測を試みています

 

 

 

この原稿は「ドメイン」のある章で、発刊した「事象の地平線」の下巻です。

 

 わたしはこの謎を解くため、「天才数学者ペレリマンが挑む宇宙の形」からずっとレオナルドダビンチ、ニコラテスラ、ラマヌジャン(未出)などを書き続けました。印象に残ったのは虚数空間を説明した、ドイツの数学者ベルンハルト・リーマン(1826-1866)。そろそろ、世紀の難題「リーマン予想」は解けていい頃ではないでしょうか?

 

 

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事象の地平線』 Simon Simoncen著