バンコクではトヨタ車が幅をきかせる。しかし、ヤンゴンに未曾有の景気が訪れていた。東南アジア最後のフロンティアが、、。
タイの労働賃金が上昇、さらに通貨のバーツが世界のあらゆる通貨に対して上昇を続けている。タイの日系企業などをはじめ多くの工場がミャンマーにシフトする可能性が高まっていることがわかった。
タイにとってバーツの独歩高は予想をはるかに超えて進んでいる。外国企業がミャンマーに移るのはトヨタの自動車工場だけではない。
自動車をはじめとする輸出はタイの国内総生産(GDP)に対する比率が5割に上る主力産業。バーツ高のあおりで、5月の輸出は前年同月比で5.8%減少し、2年10カ月ぶりの落ち込み幅を記録した。
トヨタは自動車生産工場をミャンマーのヤンゴン近郊に建設する。年内にも着工し、投資額は数十億円を見込んでいる。同国の新車市場が拡大している。
最大都市ヤンゴン郊外の「ティラワ経済特区」につくる。供給網が発達していないため、主要な部品を現地に運び込んで組み立てるノックダウン方式を採用。ピックアップトラックを生産し、まずは年間で数千台規模をめざす。
ミャンマー自動車協会によると、同国の18年の新車販売台数は約1万7500台で、前年比の2.1倍。人口は約5300万人で、年率6~7%の経済成長が続き、新車市場の拡大も期待されている。
ミャンマーにおける自動車市場は、中古車が大半を占めてきた。2017年に同国政府が右ハンドル車の輸入を原則禁止とするなど規制を強め、輸入車よりも現地生産の新車を優遇する政策を推進している。日本メーカーではスズキと日産自動車が進出し、米フォード・モーターや韓国の現代自動車も進出している。
それだけではない。ミャンマー日本商工会議所の加盟社が2年前から急増し2倍の400社に達した。
まさに東南アジア最後のフロンティアの様相になっている。
この需要を取り込むためホテル進出、建設関連、あらゆる企業が動いていた。