インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間、スンダ海峡で、22日午後9時(日本時間22日午後11時)、津波が起き、少なくとも222人が死亡、843人が負傷した。気象庁によると最大で90センチの津波が発生した。津波の原因は、クラカトア(Krakatoa)火山の噴火とみられる。
負傷者は843人で、行方不明者は24日現在、28人で地元では懸命な捜索を続けている。津波の被災が大きかったのは、ジャワ島西端バンテン州とスマトラ島南端ランプン州の沿岸部。住宅550棟以上やホテル9棟のほか、道路や公共施設が損傷した。
津波に遭遇し生還できたひとは「地震も起きていないのに、津波が来るなんて思わなかった。みな逃げられずにパニックで叫んでいた」と話した。
22日夜に押し寄せた津波は、火山島の噴火に伴う海底の地滑りが原因とされ、通常は津波の予兆とされる大地震が起きなかった。ジャワ島西部バンテン州の沿岸部では、「前兆なき津波」が突然人々を襲い、多くの犠牲者が出た。
英ポーツマス大学(University of Portsmouth)大学のリチャード・チュー(Richard Teeuw)氏は、クラカトア火山の活発な活動が続き、海底でさらに地滑りが生じる恐れがあるとして「スンダ海峡で新たな津波が起きる可能性は依然として高い」と指摘した。
仏パリ第11大学(University of Paris-Sud)のジャックマリー・バルダンツェフ(Jacques-Marie Bardintzeff)氏も、「クラカトア火山が不安定になっていることに警戒する必要がある」と述べている。
クラカタウ火山(KRAKATAU 813メートル)の噴火で、噴煙が火口から約1万6千メートル(海抜5万5千フィート)まで上がっている模様。
1883年の大噴火では噴煙は対流圏界面を突破して成層圏に達し、発生した津波は周囲の沿岸に被害をもたらしただけでなく、遠く離れた日本やフランスでも観測された記録が残っている。
アナク・クラカタウは、20世紀になってから海面に出現した火山島。
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