バイクですら高嶺の花、
ほとんどのひとは現金収入がない
ラオスの首都ビエンチャンからルアパバーンをめぐる観光ルートにはゲストハウスやレストランが進出し、この国が少しづつ変わってきてことはわかる。
しかし、少し街を離れただけでいきなり田舎になる。
道路からアスファルト舗装は消え、ラオスの人たちはバイクで村を行き来する。
女性はなんと傘をさしてバイクを走らせている。
ベトナム製バイク(中国のコピー製品)←日本のコピー。
しかし、現金収入のほとんどないラオスではそれすら高嶺の花。
この国に自前の工業が育っていない。
その根幹、電力がない。
ここで驚くべき計画が立案された。ラオス全土の河川に大型ダムを40基を建設、さらに計画中のものが8基。
ほとんどのひとは現金収入がないのに、漁業による収入を大幅に失うことになる。
国民のほとんどが半農半漁で生活している。自給自足。
ダム決壊(7月23日)から20日以上たつが、死者・行方不明者は百数十人と、いまだに被害の全容は分かっていない。当初発表を大幅に上回る可能性もある。数千人が家を失ったとされる。一説では6000戸といわれる。
建設にあたったSK建設側は「豪雨による天災」と主張しているが、ラオス政府側は「人災」として「特別補償」を求め、完全対立している。
「欠陥工事か」(米紙ニューヨーク・タイムズ)などと欧米メディアが報じるなか、ダムの工法自体にも疑問が出ている。決壊したダムについて、聯合ニュースは「土を積み上げたアースダム」と報じている。
アースダムは「土でできたダム」「ダムの形式として最も古い」とあり、「地震で壊れてしまう可能性がある」「洪水時の異常出水で越水して決壊してしまう可能性がある」。
ラオスでも地震は時々発生しており、2015年にM5の地震が発生している。熱帯モンスーン気候で、5~10月の半年間が雨期になり、年間総雨量の80~90%が集中する。
果たして、アースダムの選択が正しかったのか?
40基プラス8基
ラオスの人々はダムが自分たちにどんな生活変化を及ぼすのか、知らされないまま、開発にのみ込まれてゆく。
国営メディアによると、トンルン・シースリット首相は予定されていた会議を延期し、アッタプー県サーンサイ郡の被災地を訪れた。
アッタプー県の当局者はAFP通信に対し、洪水被災地は電話が使えない状態になっていると話した。
アッタプー県はラオス最南端の県で、カンボジアやベトナムと国境を接する。農業や林業が産業の中心で、水力発電による電力も主要な輸出品のひとつ。
決壊したダム
決壊したダムは、ラオス、タイ、韓国の企業が参加するセピアン・セナムノイ水力発電所の一部。発電所は2つの主ダムと5つのサドルダム(副ダム)からなり、決壊したのは「サドルダムD」と呼ばれるもの。
建設事業に参加する韓国のSKエンジニアリング・アンド・コンストラクションは、22日に最初に亀裂を発見したと明らかにした。
2018年8月16日
インドネシアの地震の行方を書かなければいけないのですが、ラオスで手一杯です。こちらも併せてご覧ください。
reuterjapannews.hatenablog.com