ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

中国の一帯一路銀、日本のスペシャリスト獲得

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日本からスペシャリスト、パキスタンでは租借地 巨額融資の罠

 中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が、日本の政府系金融機関に勤務していた日本人男性を今月から採用した。

 国際融資の経験が豊富な男性からノウハウを吸収する狙い。

複数の国際金融筋が明らかにした。AIIBには、米国と同様に加盟を見送っている日本から積極的に人材登用することで、将来的な加盟に向けて布石を打つ。



アジアインフラ投資銀行は、中国の国策「一帯一路」の金庫


このカネが中国のアジア制覇の原動力を生んでいる。現状は中国側から工事人として、大量に流入させており、次いでレストラン、カジノ、ホテル、銀行とあらゆる業種が進出する。さながら植民地の様相を呈している。


カンボジアでは都市の半数を中国人が居住するという異常事態にアジアの国々はまだ、危機感を抱いていないようだ。

 
なお、

 採用された日本人男性は国際協力銀行JBIC)でアジアの新興国のインフラ事業に融資する業務に携わり、昨年に中途退職。北京のAIIB本部で年明けから勤務を始めた。




パキスタンでも租借地


パキスタン南西部にある、グワダル港。
中国は、このグワダル港と中国西部の新疆ウイグル自治区を結ぼうとしていて、『一帯一路』の重要な1区間として位置づける。
中東からの石油を運ぶ主要な交通路、ホルムズ海峡までおよそ600キロほどの距離にあり、中央アジアやインド洋の玄関口としても重要な位置にある。


海上と陸上で交通路を確保し、石油などの資源を安定的に、中国まで輸送することを目指しているのです。
このグワダル港の開発に投じられた金額は、わかっているだけで、日本円でおよそ320億円。
このうち8割近い、およそ250億円を中国が負担し、およそ40年という長期にわたり、港湾の管理権を取得している。


スリランカでは99年間も港の管理権を取得。これは租借地と同じ意味をもつ。





マレーシアの苦悩


労働力と資材は中国のもの
この事業で利益をあげるのは中国だけ

マレーシアが警戒したのは、中国に対して多額の債務を抱える、いわゆる「債務のわな」に陥ること。
中国は「一帯一路」を推進するため、各国での道路や鉄道、港などの建設に巨額の融資をしてきた。


その一方で過剰な貸し付けを行い、返済できない場合には重要インフラの使用権などを担保として手中に収めるケースも。
特に国際社会の警戒感を強める結果となったのが、スリランカのケースです。
中国からの融資で港を開発しましたが、利用する船は1日に1隻程度。
債務を返済するめどが立たなくなり、港の運営権を99年間も中国に譲渡する事態に。

アメリカのシンクタンクは、「一帯一路」の沿線の国のうち、ジブチキルギスラオスなど8か国は債務が返済できなくなる懸念が強いと指摘する。


スリランカのような事態に陥ることを恐れたマレーシア。
しかし、契約を一方的に破棄した場合、数千億円もの違約金がのしかかる。
そこでマハティール首相は「懐刀」とも言える人物を中国に送り込み、建設計画の内容の見直しを求めて再交渉に臨んだ。


戦いの舞台はヤンゴンに移る!




写真

 カンボジアの首都プノンペン

世界で最も急激な不動産ブームを招いた。高級住宅の建設ラッシュをチャイナマネーがけん引する。中国の習近平国家主席が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」を売り込もうとプノンペンを訪問した際、引き連れていたのは200人余りの投資家。巨額の資金を投じ、高層ビルを何棟も建てようと意欲満々の中国人たちだった。

しかし、犯罪都市の様相に激変。街はどうなる