政府による謝罪
イギリス首相のゴードン・ブラウンは、2009年9月10日、アラン・チューリングの扱いを「呆れたもの (appalling)」と表現し、政府として正式な謝罪を発表した。
その声明(コメント)
数千の人々がアラン・チューリングのために正義と彼がぞっとする扱われ方をしたという認識を求めて集まった。チューリングは当時の法律に則って扱われ、時計の針は戻すことはできないが、彼に対する処置はまったく不当であり、深い遺憾の意を表す機会を得たことを我々全てが満足に思っている… イギリス政府とアランのおかげで自由に生活している全ての人々を代表し、『すまない、あなたは賞賛に値する』と言えることを非常に誇りに思う。
2011年12月、William Jones はイギリス政府に対してアラン・チューリングの罪を免罪(名誉回復)してほしいという電子請願を申請した。
この請願には21,000以上の署名が集まったが、法務大臣はチューリングが有罪宣告されたことは遺憾だが、当時の法律に則った正当な行為であったとしてこれを拒否した。
その後、2012年に英国貴族院に正式な恩赦の法案が提出され、2013年12月24日にエリザベス2世女王の名をもって正式に恩赦が発効した。キャメロン首相は、彼の業績をたたえる声明を発表した。
このチューリングの名誉回復運動は、2009年8月、ジョン・グラハム・カミングがイギリス政府に対して、アラン・チューリングを同性愛で告発したことへ謝罪するよう請願活動をはじめたことが発端だ。これに対して数千の署名が集まり、政府と王室を動かしたのだ。
アラン・チューリングは、コンピュータプログラミングの世界で、最も尊敬されるひとで、彼の名を冠したチューリング賞は、コンピュータ学門のノーベル賞といわれる世界的な権威をもつ。賞金は2500万ドル。
一般のひとのはあまり伝わっていないが、マンチェスター大学、オープン大学、オックスフォード・ブルックス大学、オーフス大学(デンマークオーフス)には、チューリングの名を冠した建物がある。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校にはチューリングの名を冠した道路と広場が整備され、2012年、イギリスでもチューリングの切手が発行された。
イギリス人とコンピュータ発展の歴史を知るひと以外にも、チューリングのエニグマ解読がなければ、第2次世界大戦のイギリス・ドイツの戦況がどのような方向に転がるかを考えれば恐れをなすほどだ。
世界最高の頭脳をもつ天才数学者や物理学者は、世界の運命を左右する大きな分岐点に必ず存在(突如として現れる)し、そして、その超人的な能力ゆえに、とほうもない責任を背負わされることになる。
大学と大学院とそれに関る研究機関は、そのことを博士課程の教科に組み込まないと、何度でもリーマンショックレベルの経済破綻は訪れる。
金融時限爆弾をつくった女
彼女はマサチューセッツ工科大学の天才ではないが、平凡な母親学生でも金融時限爆弾を開発してしまうのだから。
(この項は書きかけです)