ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

今年の冬も厳しい モンゴルのゾド 

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 モンゴルが2年連続で異常に寒い極寒の冬「ゾド(dzud)」に襲われ、多数の遊牧民が家畜を失う破滅的な事態に直面している。

 乾燥した夏の後に厳しい冬が続く気象状況を指す「ゾド」に見舞われると、牛や羊などの動物たちは夏の間に十分な量の草を食べられず、最低気温が氷点下60度にもなる冬の寒さを乗り切るために必要な脂肪を蓄えられずに死んでしまう。

 

 モンゴルでは全人口の約半数が、食料、移動手段、収入源をもっぱら家畜に頼っており、今回の「ゾド」は数万人規模の遊牧民の生活を脅かしているという。

 当局の統計によると、「ゾド」が原因で死んだ家畜は2017年2月上旬時点で少なくとも4万2546頭に上っている。だが赤十字は「極寒の冬を経て、春が長くて厳しいものになれば、今後数か月でこの数字は急激に増えると予想される」と述べている。またモンゴル国内の21県のうち、17県に暮らす15万7000人以上の人々が「危険」にさらされているという。

 2015-16年にかけて見舞ったゾドにより、数十万頭の家畜が死んだと伝えられる。

2017-18年冬、マイナス50度を下回る厳しい寒さと大雪からなる自然災害「ゾド」に襲われた。最も脆弱な状態に置かれた遊牧民の世帯に、セーブ・ザ・チルドレンは飼料などの家畜用緊急パッケージを配布した。

 

 

ゾド雪害

モンゴルで数年から十数年程度の周期で発生する大規模な雪害。夏季の干ばつにより乾草が不足し、冬には10~350cmの積雪と激しい吹雪で平均気温がマイナス50度以下になるため、大量の家畜が死亡し、人々の生活に多大な影響をもたらす大規模な自然災害。長期的には、脆弱な遊牧民に甚大な打撃を与えることが知られている。

ゾドには3種類がある。モンゴル 人はゴビ地帯に5~6㌢、平原地帯 に8~10㌢、森林地帯に12~15㌢ の雪がそれぞれ降れば「ツァガー ン・ゾド(白い雪害)」という。 ツァガーン・ゾドは長期にかけて 続くという特徴がある。「ハル・ ゾド(黒い雪害)」というのは、 冬と春に雪があまり降らなく、家畜が水不足のため死亡することを 言う。