リーマンの手帳にある複素平面を
150年ぶりに書き直した「複素立体図」
数学最先端を行く
素数ノ謎を追ってシリーズ2冊を刊行したが、一般のひとに理解してもらえない。実は数学のある問題に耽溺していると、外から敵が攻めてくるという面白い現象が起こる。アルキメデス以降、ガウス(ナポレオン軍にドイツ国内が蹂躙)、アインシュタイン(ヒトラーがヨーロッパを蹂躙)と同じことが起こっている。現在、中東・アフリカの難民問題からEU(欧州連合)に亀裂が入る事態になり、米国同様、自国優先主義へと世界は坂を転げ落ちはじめている。イスラム国のテロが連合国を分断に追い込む。
そんな中、素数ノ謎がわかっても何の意味があるのか? このシリーズを取材して理解を深め、そしてリーマンの黒い手帳のなかに書かれて「複素平面」がどれほどの意味をもつのかが、理解できたとき、数学をやるより、ひとのために働いた方がましだと考えるようになったのだ。
それがこのシリーズの大きな感情的な起伏となって、わたしの不可解なカトマンズ、バンコクやピョンヤン、ウクライナでの行動になって現われている。
だが、あたまは現実とは関係なく、どこにいても素数ノ謎を追いかける。それがこのシリーズである。2冊目は次元を追うことが素数ノ謎を解くカギになると気づいたわたしは、人類史上で次元が問題に浮かび上がった出来事を探ったのだ。
理由は簡単。整数は1次元の横を移動するだけだが、ミハエル・ボンベリの発見により、数はすべて1次元には記述できないことがわかった。複素平面に置くと、素数だけが1/2の直線上に並ぶことに気づいたのはゲオルグ・ベルンハルト・リーマンである。だが、この世界は空間の3次元に時間の1次元を加えた「4次元の時空」と理解されていた。理論物理学者はそれに巻き上げられた次元があることに気づいたのだ。つまり、自然界の仕組みを数学で説明しようとしたら、われわれの宇宙は11次元だった!
これを素数の謎の第2幕「次元を旅した男」に書いた。しかし、ほとんど理解されなかった。理由はわれわれは4次元空間の生き物で、それ以外のものは激しい拒絶反応をひき起こす。だが、電磁気力を一般相対性理論と結びつける数式には「巻き上がられた次元」を加えないと統合できなかったのだ。
つまり数を1次元の横の次元だけで表すことの方が無理だったということ。それでリーマンは2次元の平面に置いた。そして、わたしはそれを立体に置いたら、巻き上がられた次元が1/2の直線上に回転しながら舞い上がったのを発見した。
われわれの宇宙では、整数、小数、分数、それにルートが理解できれば数論はわかるが、それとは異なる宇宙、つまり異なった次元構成の宇宙では違う数学が存在する。つまり、数学的にも素数はマルチバースの存在を示唆しているのかも知れない。
ウクライナの子どもたちのビデオクリップを以前の記事に掲載しています。あわせてご覧ください。
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