ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

素数ノ謎 第2部 ウクライナへの道

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素数ノ謎 第2部 ウクライナへの道

 ジャーナリスト養成なるか 

 

 アルキメデスは当時世界一の国際的学術文化都市アレクサンドリアで学んでいた。そのアレクサンドリアは頻繁に宗教者たち(キリスト教徒、さらにイスラム教徒)に襲撃された。エジプトは当時の統治者ローマ軍に国の安全を委ねていた。しかし、軍事力のない世界一の文化都市は跡形もなく人類の英知とともに消え去った。

 

 いわば現代の中東と北アフリカの『難民たち』が地中海を渡り、たどりついたのと同じ状況だったのだ。死体が10m間隔で打ち上げられた海岸。リビア人の密入国を手引きするブローカーは小さな2層構造の漁船を仕立て、300人からひとり50万円以上の金をとってぼろ儲けをしていた。

船は操船すらままならず、強風と荒波で簡単に転覆した。転覆しなくても、ブローカーはつかまらないよう海岸線が見えると漁船を沈め、海に投げ出された難民はほとんどが泳げなかったのだ。

 

 

 

 

バンコクの昼下がり

チュラローンコーン

 アンジェラを復学させるため、2人でバンコク市内にあるチュラロンコーン大学キャンパスにやって来た。荘厳な建物を目のあたりにして授業料が高そうだなと思い、一瞬ためらった。しかし、1年間の学費は日本のサラリーマンの給料1カ月分より安かった。アンジェラは簡単に復学できた。タイの最高学府は文学部にタイ文化を伝えるためのカリキュラムを開設しており、学内の設備が自由に使えるのでわたしもこのコースに入講する。

それはなぜかって? 授業がすべて英語で行われ、クーラー完備の学内設備がすべて自由に使えるのだ。そして、これから計画していることに必要な人脈がみつかるかもしれない。

 

 東南アジアの首都にある大学は非常に便利でホテルなどの設備などに比べると、価格が1/10で、食事、運動、図書館、クラブ活動など好きなことができる。これに気を良くしたわたしは、バンクーバーの田舎でくすぶっているスコットに、電話した。

彼とは時々、近況を知らせ合っており、アラスカ大学に入るため大型のアウトドアショップのインストラクターのアルバイトをし、学費を蓄えていた。

バイトで1年は学費を払えても、とても続けられそうも無い」と悩む。180センチある男なのに繊細な神経の持ち主は将来、あんたみたいに海外を自由に渡り歩く仕事につきたいとこぼす。

 

「こちらは物価が三分の一だし、おんなの子は毎晩、ほとんど裸で踊っているよ」と教えたのだった。

「うそだ。そんな話は信じられない。かついでるだろう?」

「選び放題。人種の坩堝。タイ娘、中国、ベトナムウクライナ、ロシア、韓国までいる。夜中の2時すぎると裸だよ」。

21才のおとこはこれに素早く反応して、バンコクにやってくる決断をした。

これでアンジェラの英語も上達するし、スコットをジャーナリストに養成できるかも知れない。カトマンズでコンクリートで頭を打ち据えられてから、まともにアタマが働きだした瞬間だった。

アンジェラからは「あんたやっぱりおかしいよ」と訝られていた。それはこの熱帯の街ではいくらクーラーの効いたホテルの室内とはいえど、意識が眠っていることが多い。

たとえ、意識が起きてても、効率的な働きができない。それは、どの国からも占領されたことのないタイ王国からなぜ、世界を揺るがすような研究者が現われないのかということからもわかる。

 いろいろ理由を並べてみても、結局は素数の壁を突破できずに2カ月、3カ月と季節だけが周っていた。わたしはどうやら「ぼーっ」としていたり、ぼんやりしていることが多い。

「ほろ、フランケン博士、口をあけて」。アンジェラにずっと面倒を見られていた。

アンジャラのパソコンにデスクトップにある動画が貼り付けられていた。

彼女の動画編集のセンスがどんなものか気になったので、見たら、なんと、登場人物はわたしひとり。

ほとんど全裸でベッドに寝ていたり、風呂から裸でいったり来たり、そして、食事中に考え事をしながらアンジェラが無理やりタイ料理を食べさせるさまだ。

数学の問題を考えている様子はまるで、虚脱したアホのように見えることに気づかされた。5進法、10進法、13進法を考えていたころに比べ、症状はだんだん重くなっている。アンジェラが最後に撮ったころは5乗のべき計算の世界を考えていた時期だった。

タイ語で解説がつけられていたが、意味がわからないので、コピーペーストし、英訳すると、彼女がとてもその状況を心配していたことがわかった。動画のタイトルは「ダー」。おそらくダーリンの略、穴があったら入りたいほどはずかしい。思わず削除しそうになった。 が、見たことがバレルのでやめた。

 

 

 

極北からきたポーラベア

大学から歩いて15分の距離に学生寮があるというではないか。ホテル住まいの2人にしたら、ここに入れば元を採れるようなものだ。1人部屋のほかに2人部屋、3人部屋、それに6人部屋まである。スコットも来ることだし、2人は勇んで申し込みに行った。当然、覚悟していたが空き部屋待ちで、学期中にたまに空くこともある。そのときは、電話で知らせがくれるという。

このコースの学生は社会人もいる。一般の学生たちはアルバイトに忙しく、様々の国籍の学生が留学していた。わたしが知っているだけで、ナナプラザ向い側にオープンしたばかりのフーターズで、陸上選手の娘が働いていた。あまりに筋肉質なので皆から何の選手だと聞かれるそうだ。ウェザースプーンは100mランナーだった。

「オリンピックにはでないの?」と聞くと、正直に「規定タイムに1秒足りないよ」と笑ってみせた。頭にゴールラインに10mも遅れて走る彼女の姿が浮かんだ。

それだろう。こんな暑いさなか100m走れるだけ偉い。

「ドイツ人の筋肉野郎がわたしのショーツにチップをねじ込もうとするの。そういうのがいやで、ウエートレスしているのに、しかも踊らなければならないのよ。ダンス、観て帰る?」。

せっかくなのでビールを飲みながら待っていると、ウエートレスたちがカウンターの前に一直線に並んだ。楽しそうに笑顔を浮かべて脚を前後に蹴り上げるが、全員照れ笑いを浮かべている。こんな感じ

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まるでYMCA体操だった。健康的すぎて、笑える。

 

レディーボーイの韓国人アンの所在がわからないので心配していた。アンジェラが空手の稽古代にしていて、それがいやで身を隠したのかも知れない。もしかしたら性転換手術に走ったのではと思い、探していた。

それで以前勤めていたソイ・カーボーイにあるCOCKCUTという店を訪ねることにした。午後に空港からピックアップしたスコットの荷物をホテルに置いて、彼の歓迎会を開くつもりで繁華街へ繰りだした。アンジェラも合流する予定だ。

筋肉のお嬢さんとバンコクでの生活を話していたら、

「いま、どこにいる?」とメールが飛んできた。

 

スクンビッド通りのソイ・カウボーイ150メートルあまりの小道には両側いっぱい、女の子が並んで客引きをしている。両手をひろげて行く手を塞がれたり、2人に挟まれたりとうせんぼされる。だがどの娘も笑顔なので、怒り出す客はいない。それでも10m進むだけでも大変だ。原因はスコットである。ヨーロッパや北米からきた白人をタイ人は”ファラン”と呼び、それをお客や恋人にすることはステータスなのだ。

もちろん、禿げ上がってたり、皮膚がたるみきった老人は相手にされない。観ているとわかるが、店の幅4、5メートルの前を通る客がターゲットなら、その前に両手を広げて通さないようにする。手を握って、瞳で妖しく誘ったり、笑顔で踊ったり、脚を絡ませたり、いろんなパフォーマンスがある。

なかには、お星様きらきらと両手を挙げて、満面の笑顔で客の前を行ったり来たり。小柄な娘がやると、見ていると心が和む仕草で誘う。

その娘の店は「ミッドナイト」という店名なので、違うからさらに先を探そうとすると、スコットの腕に全体重をかけてひき止めようとする。しかし、それも店の幅を通り過ぎるとやめる。まるで、アメリカンフットボールの敵陣奥地である。

どうもこの歓迎を受けるのは、客層を各店が絞っているようで、褐色の肌のインド人やバングラディッシュなどのベンガル人は敬遠される。アラブ人もそうだし、中国人も敬遠されるが英語が話せる香港人は別。対称はもっぱらファランと日本人、それもビジネスマン風の男に限られる。

バッグパッカーのような汚い身なりの男は日本人でも欧米人でもこの150mを無視され続け、何度も行き来している。(笑い)

実に現金な通りである。

 

入り口が狭いが、ひとがたむろしているところにその店はあった。間口の狭さを壁一面の鏡が2倍以上の広がりを見せる。店の入り口に何人かの美人が座っている。彼女たちは姿を見せているだけで、積極的な客引きはしない。しかし、これといった相手を見つけると、声をかけたり、通りにでて追いすがる。わたしはアンが写ったスマホを見せて、彼女はいるか聞いた。

「最近は来てないけど、妹が来ている」という。それで奥に入ってが店内は暗くて誰が妹なのかわからない。20人ぐらいダンサーがポールにしがみついて踊っている。

注文をとりにきたウェートレスに、アンの妹を呼んでもらう。カウンターの椅子に座ると同時にスコットはおんなのこに取り囲まれた。わたしの反対側はあたまが少し後退したカルロス・ゴーンに似た男が、ダンサーの脚を気持ちよさそうにさわっている。ビールのグラスにはくちをつけず、夢中でさわっている。

小柄なおんなのこがわたしの椅子とカウンターの間に割り込んできた。狭いのでもう席がないのだ。髪の毛はまっくろで色白な切れ長なひとみ、アンに似ている。だが、彼女は18才ぐらいにしか見えない。名前はアン・キルファ。つまり、安 吉華。彼女の兄はレディーボーイ名に苗字の安を使っていたのだ。

わたしのふとももにはさまり極端に接近した立ち位置で、キルファは英語で兄は「韓国政府から兵役検査の出頭命令がでたの。それで1週間前にソウルに帰ったよ」という。

 

カルロスはみるとお立ち台に肩ひざをつき、ついに踊り子の太ももに手でさすっているではないか。フラッシュライトに浮かぶ男の顔は恍惚としている。

反対側のスコットはおんな4人に囲まれ、胸に手を入れられ、もうひとりに耳をしゃぶられてまっかな顔をしている。さらにもうひとりはズボンのベルトをはずそうとしているが、そこだけはなんとか死守している。

 

「キルファはおんなのこだろう?」

「うん、この店はみんなレディーボーイだけど、わたしはマスコットとしておいてもらっている。ほんもののおんなよ。見る?」

ほんとうに無防備な癒し系というか、ほにゃっとした感じだ。会話が聞き取れないので、ほとんど相手の耳に口をつけて話すようになり、ほかから見ればまるで腕を身体にまわして抱いている。キルファはしきりに「連れ出して」とせがむ。その表情が必死なのでスコットにでようと合図しようとしたとき、背中に殺気を感じた。

 

アンジェラが立っていた。

アンジェラはキルファの腕をつかんでひっぱりだそうとする。キルファはその形相におびえ、身をかがめてカウンターの下を這うようにして逃れる。

「なんなのよ、あの娘は?」

「妹だよ」。

 

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

 

 

 

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

 

 

彼女たちの国境 金正恩暗殺計画1-2  連載7

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映画製作は大変だったよ、、。

ぼくはただ映画「金正恩暗殺計画」(注10)の制作に関わっただけ。暗殺実行犯とは関係ない。建設現場のアメリカ製の小銃? おまえが忘れたのかって? とんでもない。あれはホンモンだよ!

 

 

第1の暗殺未遂事件

北朝鮮金正恩第1書記に暗殺者の影が迫っていた。

具体的な事例が伝えられたのは2例、これらが事実であれば、金正恩氏は過去3年間狙われ続けていたことになる。今年は朝鮮労働党創建70年の節目で厳戒態勢下での金正恩氏の野外行動が活発化しているが、一方、北朝鮮からは国内で幹部らの極刑による粛清や公開処刑の情報が増えている。指導者自身の恐怖心が招く恐怖統治。北朝鮮内で“恐怖の連鎖”が深刻化している。

 

 

 第1の事件は韓国紙東亜日報が報道した。発生は約2年前の2012年11月3日だった。報道によると、金正恩氏の現地視察当日朝、平壌市内の野外スケート場など3カ所の建設現場周辺で、外国製機関銃が隠されているのが発見されて発覚したという。

 

 金正恩氏の日程は北朝鮮の最高機密だ。特に監視の厳しい平壌に機関銃を持ち込まれていたことから、「事件の背後には大物がいる」と判断され、「一番有力な容疑者として叔父の張成沢が注目された」(東亜日報)という。

 

 結局、実行犯は捕まらなかった。だが、張成沢氏に対しての尾行などの調査がこのときから始まったという。金正日氏の急死以降、金正恩氏の最側近として隆盛を極めていた張成沢氏だが、このころ突然のように公開行動の姿が消え、韓国では粛清説が流れた。

 

 金正恩氏と一族の警護は護衛総局が担当している。昨夏、この護衛総局の車が銃撃を受けて1人が死亡する事件があったとの情報もある。これは米自由アジア放送(RFA)が伝えている。

 

 不穏な空気が流れる中で2012年5月以降、金正恩氏の官邸、別荘、専用施設30カ所は装甲車100台などが配置された。この警備強化は米国も確認し、米シンクタンク、ランド研究所が2013年の報告書で明らかにしている。

 

 張成沢氏の処刑後、張氏の息がかかった幹部らの一斉粛清が始まり、その恐怖統治は今も続いている。まず第1段階として、張氏の親族や最側近の11人が処刑され大量の幹部が解任・追放された。第2段階では中央組織内の検閲(調査)と処分が行われた。極刑で火炎放射器が用いられたとの情報もある。現在は第3段階が進行中という。

日本で北朝鮮の公式報道をモニターしているラヂオプレスによると、金慶玉第1副部長は昨年7月、幹部の葬儀名簿に名前が上がっで以来、動静報道がない。昨年3月には金正恩氏の観劇に同行し映像も確認されている。だがその後は急激に報道が減り、昨年7月の名簿を最後に途絶えているとしている。

 

 金慶玉第1副部長の粛清が事実なら、張成沢氏に次ぐ北朝鮮の最高幹部の処刑ということになるが、現在までのところ未確認。

 

 

第2の暗殺未遂事件

 第2の事件は、北朝鮮情勢に詳しい東京基督教大学西岡力氏が月刊「正論」(3月号)で明らかにした。韓国の国家安全保衛部出身の脱北者から入手した情報、「2回目は2013年5月、平壌の女性交通警察官が英雄称号を受けた事件だ。いろいろ噂が流れたが。金正恩の車に大型車が突っ込もうとした事件をこの女性警察官が防いだのだ」というものだ。

 

 このとき北朝鮮の公式メディアは女性交通警察官(22)について「革命の首脳部を決死の覚悟で守った英雄」と称賛する報道を繰り返した。「革命の首脳部」が金正恩氏を指し、「不意の状況で英雄的犠牲精神を発揮し、その安全を守った」として北朝鮮で最高の栄誉とされる「共和国英雄」称号を授与しているが、これが暗殺未遂だったとの証言だ。

 

暗殺未遂事件と2013年末の張成沢処刑の関連について記事は触れていない。記事を書いたのは北朝鮮出身の脱北記者で独自ルートの特ダネを書くことで知られる人物だ。発生から約2年後に未遂事件を記事化したことについて「随分前に知ったが、情報源の安全確保のためこれまで報道しなかった」と断った。

 

首謀者は誰?張成沢氏に次ぐ最高幹部の粛清説も

 

 第1の暗殺未遂が報じられたあと、脱北した元大学教授など知識人で運営し独自情報をネット新聞で発信している「NK知識人連帯」が事件を追った。東亜日報報道の約1カ月後、知識人連帯は内部情報として「続報」を報じた。

 

 それによると、この暗殺未遂事件で金正恩氏の厳重であるはずの警備の失態が大問題となった。この結果、金正恩書記室の行事担当部員1人と党組織指導部部長の計2人が死刑に処されたという。さらに書記室、護衛総局行事課、組織指導部行事課の交代人事があったという。

 

 知識人連帯は「張成沢首謀説」には懐疑的で、「金正恩氏の日程は生前の張成沢氏も知り得なかった。書記室が『本日某時から行事があるので明けておくように』と連絡を受けて『ああ金正恩氏の1号行事があるな』と分かる程度」としている。この「党組織指導部部長」とは、日韓両国では党組織指導部第1副部長として知られる金慶玉氏のことで、報道では死刑執行について「昨年10月初旬」としている。

北朝鮮金正恩第1書記に暗殺者の影が迫っていたとの暗殺未遂情報が続々と出ている。具体的な事例が伝えられたのは2例で、これらが事実であれば、金正恩氏は過去3年間狙われ続けていたことになる。今年は朝鮮労働党創建70年の節目で厳戒態勢下での金正恩氏の野外行動が活発化しているが、一方、北朝鮮からは国内で幹部らの極刑による粛清や公開処刑の情報が増えている。指導者自身の恐怖心が招く恐怖統治。北朝鮮内で“恐怖の連鎖”が深刻化している。

 

 

 

 

モランボン楽団 初の海外遠征 

北京講演 突如中止の真相

 

 北朝鮮の人気女性楽団「モランボン牡丹峰)楽団(Moranbong Band)」が2014年12月初旬、中国・北京で初の海外公演を実施する予定で北京入りした。しかし、公演は突然中止となり、彼女らはただちに帰国した。北のミサイルを誇示した公演舞台背景をめぐる対立が原因だったと、韓国紙・朝鮮日報(Chosun Ilbo)が報じた。彼女たちが北京入りしたのは8日。

 

 韓国政府高官の話として、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の肝いりで結成されたモランボン楽団は、舞台背景の巨大スクリーンに長距離ミサイルの発射場面を映すのを中止するよう求めた中国当局の圧力に屈するより、帰国を選んだと伝えた。

 

 同紙によると、中国当局はリハーサル中にミサイル発射の場面を発見。公演の来賓には習近平国家主席ら要人が含まれていることを理由に、その場面を除外するよう同楽団に要請したという。

 

 しかし、楽団は強硬に抵抗。そのため中国側は、習主席その他の高官の公演参観を取りやめると決定した。

 

 これに対し北朝鮮は公演中止で応じたと、朝鮮日報は韓国政府高官の言葉として伝えている。これが初の海外公演となる予定だったモランボン楽団は、開演時刻の数時間前に北朝鮮に帰国した。

 

これ以降、中国と北朝鮮の関係が悪化したという報道が広がりはじめた。しかし、それは表面的なもので、両国は『血で結んだ盟友』というほど、深く結びついており、金正恩氏はすべての核実験とミサイル発射を北京に電話で事前に伝えている。

歴代の中国主席に内定したトップは、その段階(副首席の位階)でまず最初に北朝鮮を訪問する。この両国の関係はミサイル映像程度では破綻しないほど根が深い。

その裏づけは、2016年9月のミサイル発射でも裏づけがとれている。『両国は互いにチェスのコマのように使っている』というわたしの分析は、これに由来する。

 

 

 

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

 

 

 

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

 

 

 

NGO JOURNALIST AWARD  ニンバスの子供たち 受賞 japan cyber library

NGO  JOURNALIST  AWARED  2016   

                      WINNER

 THE CHILDREN OF DANBASS

FILMED UKRAINE TODAY

       Japan Cyber Library

                                                http://sky.geocities.jp/japancyberlibrary

                                                                                                   

  ドンバスの子どもたち 砲撃におびえる日々 「わたしたちを爆撃するのをやめて!」怒りをぶつけるアリーナ・ウバロちゃん from ukraine today

 

 

この国が置かれた現状は厳しい。それは北の国境で起こっていた。ミサイルが民家を襲来し、子どもたちが傷ついていた。ウクライナのTVニュース『ウクライナ・トゥデイ』はEU入りを果たし、懸命にヨーロッパの一員として生きようとするウクライナの人びとを追いかけていた。 ドンバスの街はミサイルが飛来し、子どもたちに負傷者がではじめた。まだ、8才程度のターニャは爆撃で家の半分を失った。

「何か不足してるものはある?」 「林檎、マンダリン、キャンディー、チーズ、」食べ物がほとんどないと訴えた。 子どもたちは、ロシア-ウクライナの国境を守る兵士たちを父親にもっていた。 「パパが帰ってくることが一番ほしいこと」という子どもたちが口々にいう。 アリーナ・ウバロバちゃん(5-6才)は、カメラに向かって怒りをぶつけるように訴えた。

「わたしたちを爆撃をするのをやめさせて!  Yatsenyukと Poroshenkoは出て行って!」わずか5、6才の小さなおんなの子が怒りに身体を震わせながら訴えている。 さらに、別の2才の少女は近所の爆撃音を口真似しながら、不安におののいて家のなかを行ったり来たりする。 6才ほどの男の子は表通りを横切るとき、爆撃の衝撃波でビルから大きな壁ガラスが墜落し、下敷きになった。

しかし、彼は奇跡的に生きていた。傷ついた顔でビデオの前でその時の状況を話している。 別の8才くらいの男の子はインタビュアーの『怖くないか?』に答えて、 「もちろん怖いよ。第2地区18番に住んでるけど2度、ミサイルが落ちてきた。火のなかを逃げたんだよ」 「戦争がすぐに終わって、パパが帰ってきて」と子どもたちは訴え続けた。

これはウクライナトゥデイが、制作した映像で大国から独立しようとして苦しむ姿を伝えたわずか3分もないドキュメンタリーだった。 場所はドンバス。われわれはそこに入れるか、検討に入った。そして、キエフだけではとてもこの国のすべてが見えない。                                                                                                   Evan Shintani

       Japan Cyber Library

                                                   http://sky.geocities.jp/japancyberlibrary

                                                                                                    

 

女子高生公開裁判・女子大生は自殺 北朝鮮の人権侵害さらに  彼女たちの国境 連載6(未収録編)

国連調査委員会が公表した北朝鮮の人権侵害に関する報告書によると、金正恩体制下の政策になり、広範囲にわたる「人道に対する罪」が今現在も行われている。

人権侵害のレベルは極めて深刻なレベルに達してしる。

軍隊内や職場内で性的暴行

金正恩党委員長の父親である金正日氏は、「5課処女」という「権力層に仕える女性」を選抜、管理するシステムをつくりあげた。代表的な5課処女といえば、日本でもよく知られている「喜び組」。まさに、指導層が権力を笠に着て、女性を仕えさせ、時には慰み者にする。そんな前近代的女性差別が、今現在も行われている。

 

この問題が複雑なのは、北朝鮮社会が、儒教的で男性本位な特徴があることから、女性に対する性暴力はそれほど問題視されず、被害を受けた当事者の女性も告発できないことだ。軍隊内や職場内で性的暴行の事実が明らかになった場合は、むしろ被害者である女性が侮辱されたり不利益を受けたりするので、女性は沈黙するしかないーーつまりは2重の被害である。

米国映画を見た」という罪状

こうした女性差別は、もはや「女性虐待」と言っても過言ではなく、成人女性のみならず、若い女子に対しても同様のことが行われている。

今年1月には、「米国映画を見た」という罪状で、高校生の男女15人が公開裁判かけられた。現地の情報筋によると、公開裁判にかけられたのは16歳と17歳の少年・少女たちだったという。

そして、悪名高き「政治犯収容所」などの拘禁施設内では、せい惨な人権侵害が常態化している。韓流ドラマを視聴したことが北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部」に発覚し、連行された23才の女子大生は、激しい拷問と、彼女を待つ10年間の地獄のような拘禁生活に絶望し驚くべき行動に出た。

 

韓国ソウルにある「北朝鮮人権情報センター」傘下の「北朝鮮人権記録保存所」によると、北朝鮮の拘禁施設の総計は約480ヶ所。内訳は、「拘留場」と「労働鍛練隊」が210ヶ所、「教化所」が23ヶ所、「教養所」が5ヶ所、「集結所」が27ヶ所、「政治犯収容所」が6ヶ所だ。

こうした拘禁施設で常態化している女性虐待をそのままにしておくことは、国際社会で問題にしなければ解決しないところまで来ている。

 

女子大生は自ら命を絶った

韓流ドラマを取り締まる組織の取り調べに耐えきれず、23歳の女子大生が自ら命を絶ったという。
北朝鮮の人権侵害によって、23歳の女子大生が自らの命を絶つという悲劇が起きた。なぜ、彼女は自らの人生に終止符を打たねばならなかったのか。
 8月6日、米国は最高指導者の金正恩党委員長を、人権侵害の首謀者としてはじめて名指しで明記した。北朝鮮は米国の措置に対し、「外交ルートを遮断する」と猛反発。しかし、いくら反発しようとも、せい惨きわまりない北朝鮮の拷問や処罰の実態の多くは暴かれており、米国の措置はむしろ遅すぎると言っても過言ではない。

赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた...北朝鮮「人権侵害」の実態
今回、女子大生が自殺を選んだきっかけは「韓流」と北朝鮮当局の「拷問」。この二つは、現在進行形の北朝鮮の人権侵害を象徴している。
女子高生が見せしめ
 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の秘密警察・国家安全保衛部(秘密警察)と韓流ドラマを取り締まる組織「109常務」は大々的な取り締まり作戦を行い、現地には殺伐とした空気が流れているという。1月には、女子高生も海外映画を見た罪に問われていた。
そして今年5月、109常務は、清津(チョンジン)市浦港(ポハン)区域南江洞(ナムガンドン)で一人暮らしをしていた23歳の女子大生の家を急襲、家宅捜索を行った。
 運悪く、彼女の家からは韓国映画が保存されたメモリーカードが発見されたことにより悲劇が起こる。女子大生は、保衛部に連行され、激しい拷問を加えられた。そして、10年の懲役刑が避けられないことを悟った彼女は、いとこの美容室から持ちだしたパーマ液を飲んで、服毒自殺を図った。現地情報筋は、彼女の安否を伝えていないが、おそらく死亡したものと思われる。


女性収監者は裸で
 取り調べでは、木の棒で殴打される、鉄線や革のベルトで締めあげるなど無慈悲な拷問が23歳の女子大生に加えられた。彼女にとって、とても耐え切れるものではなく、メモリーカードをくれた友人の名前を白状してしまう。そして、自ら命を絶つ。
 せい惨な拷問によって、友人の名前を白状してしまったこと。待っているのは地獄のような10年間の拘禁生活。彼女が自殺に走った動機が、人生に絶望を感じたであろうことは想像に難くない。 

これだけではない。清津市では3月にも、取り調べを受けていた40代の女性が取調室のある5階から投身自殺していた。

 

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

 

 

彼女たちの国境 原題 NORTHKOREA ASCENDING 連載5

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女子大生が拷問に耐えきれず…

 

「電力事情は悪いのに、24時間、電灯がつけられていました。自殺や反乱の動きを監視、察知するためです。食事の量がごくわずかで、塩気がありません。収容者に塩を与えると脱走するという理由です。私は面会に来た家族に食糧と塩を差し入れてもらい生き抜きましたが、ナトリウム不足で出所後に死亡する人もたくさんいます」(ハン・チョンミさん)

 

チョン・スイルさんは、2006年4月に中国公安当局に逮捕された。辺防勾留所に100日収監された後、北朝鮮に強制送還され、穏城(オンソン)の保衛部に護送された。取り調べが終わると今度は保安署(警察署)、労働鍛錬隊、集結所など1年ほどたらい回しされ、2007年3月から2年間、全巨里教化所に収容された。

 

一つの部屋には22人が収容されていたが、8割が脱北者だった。そのほかに殺人、傷害、詐欺などの罪を犯した人もいたが、それ以外には、「中国キャリアの携帯電話を使用した」「韓流ドラマを見た」「韓国のラジオを聞いた」などの理由で収監されていた。

 

韓流に触れただけで、「この世の地獄」と称される拘禁施設に送られるというのもあまりにも理不尽な話だが、過去には、女子大生が拷問を受け、悲劇的な結末を迎えた。

 

国際社会や人権侵害の被害者は、生々しい告発を基に、北朝鮮を非難し続けている。それにもかかわらず、拘禁施設を拡張する金正恩体制には、拘禁者のみならず”人権”という発想が全くすっぽりと抜け落ちているようだ。

後述するが麗しの平壌の高麗ホテルにかつて、モランボンの団員は夜毎、呼び出されては正恩氏の相手をさせられていた。この部屋は「やり部屋」と呼ばれる。相撲部屋ではない、念のため。

 

 

 

 

■麗しい首都平壌と穀倉地帯の飢餓地獄

PyongyanのOLはスマートフォンをつかっている

 

 北朝鮮は2012年4月、金日成生誕100年祝賀行事と「祝砲」のミサイル発射で金正恩氏の新体制を内外に誇示した。ミサイル発射には世界からの21社170人もの外国メディアを受け入れて指導者デビューを飾ろうとした。ミサイルは失敗したものの、首都平壌は高層ビルの建設ラッシュ、その夜空は花火で彩られており「平壌は発展している」などと報じた外国メディアも少なくなかった。

 

 しかし、ジャーナリストで人権活動家の石丸次郎氏らの取材は、その平壌の繁栄が虚構であることを暴き、「人民の生活向上を重視」などと年頭に演説した金正恩体制の舞台裏に迫った。

 

 石丸氏が率いる取材チームが穀倉地帯の異変をキャッチしたのは2012年3月ごろ。以来、中朝国境に出てきた黄海道の住人取材や、チームのメンバーであり石丸氏が養成してきた北朝鮮人記者による潜入取材などを敢行して証言を集めた。

 

 『私の村がもっともひどかったのは2012年4月と5月でした。飢えて全滅した一家もあれば絶望して全員が自殺した家もあった。毎日5世帯、6世帯と死人が出た』(黄海南道、農村幹部)。

 

 『目を覆いたくなるような状況でした。青丹郡というところでは住民の何割が死んだかわからないほど。空腹でおかしくなった親が子を釜ゆでして食べて捕まる事件があった』(黄海道の農村に党の方針を伝達するため域内を回った党中堅幹部)

 

 石丸氏が衝撃を受けたのは、取材した黄海道住民の全員から人肉食の証言が出たという凄惨な事態だという。親子殺人や人肉の密売流通などで、多くは保安部(警察に相当)に通報され処罰されているため住民の間で公然化していたという。

 

首都平壌と軍部を養うため

軍が農民の食糧を強奪

 

 「国中が疲弊するなかで平壌と軍の安定だけは金正恩体制の至上課題だった。黄海道から収奪されたのは、首都再開発事業に全国から動員された学生や青年同盟(金日成社会主義青年同盟)などを養う食糧と、平壌市民への配給用の"首都米"、軍部隊を維持するための"軍糧米"だ。地方幹部や警察など権力側がチームを組んで農村から強奪していた。いったい何を再開発していたのだろうか。後ほど明らかになる。

 

一方、軍用は軍糧米の名目で、収奪は収穫前に田畑に入るケースや収穫後に持ち去るケース、さらになけなしの食糧を隠している住民も、家宅捜索までされて強奪された」。

 

 約20年間、国境取材などで北朝鮮をウオッチし、約10年前から北朝鮮内部に記者を育成、潜入報道を行ってきた石丸氏は、黄海道が5、6年前から軍による収奪が行われていることを突きとめた。

 

 「しかし、2012年から始まった飢餓は明らかに金正恩氏デビューに伴う莫大な浪費によるものだった。新しい指導者が出たのに”軍に配給もない”では体制は保てないため穀倉地帯に負担を強制したのだ。われわれが取材した証言には、銃を持った軍人が脱穀所から食糧をすべて奪取した目撃談や、上部からの命令でノルマを課され暴力的に奪取する以外に方法がなかったと語る地方の党幹部などの話が少なくない」(同)

 

 取材チームは、入手した複数証言の分析から餓死者は数万人と推定した。黄海南北道は中国国境に遠いこともあり、中国への脱出者が全土で最も少なく情報が外部に出にくいという。

 

北朝鮮の食糧事情は好転している?

 

 欧州連合(EU)は2012年秋に北朝鮮に調査団を派遣、食糧事情を調査した結果は「緊急支援は必要なし」とされ、今年のEUによる対北食糧支援は打ち切られている。また国連の世界食糧計画(WFP)と食糧農業機関(FAO)が昨年11月に発表した報告書も2012-2013年の穀物生産予測は前年対比コメ11%増、トウモロコシ10%増で食糧事情は好転したとしている。

 

 しかし、北朝鮮は政治的な理由から調査を捏造(ねつぞう)データでごまかすことが多い。このため慎重なクロスチェックが求められる。「作柄が好転すれば幸いだが、農村への収奪については国際機関が本格的に調査する必要がある」。

 調査を続ける同取材チームのもとに現地からは、国際機関の報告とは全く逆の「今年の不作」の予測と生活の不安を訴える声がいまも相次いでいるという。

 

 

 

 

 

平壌は「貧民窟」が…

首都・平壌まで、廃墟が広がり始めた

 

「華やかなのは平壌市中心部の蒼光通りや栄光通りだけで、東平壌には巨大な貧民窟が広がっていました。真冬だというのに、通りには腐臭が立ちこめている。そして、地区の役場の職員たちが総出で、のたれ死にした遺体の処理をしていた。氷点下20度近い極寒の中、暖房もなく、食糧もなく、ついに首都・平壌まで、廃墟が広がり始めたのです」

 

こう証言するのは、このほど2年ぶりに平壌を訪れた朝鮮族の中国人実業家だ。「平壌だけは欠かさない」としていた食糧配給も、いまやすっかり途絶えがちだという。

 

 

配給ができなくて平壌は実質150万人に

「そもそも金正恩が指導した2009年末の通貨改革の失敗で平壌市民への配給が不可能になり、平壌市の面積を4割削減して、人口を220万から180万に減らしました。それでも配給できなくなったため、今年4月に、さらに市の面積を縮小し、人口を150万に減らした。今回は、ついに100万まで減らそうとしているそうです」。(注2)

 

 

首都・平壌でさえこれなので、地方はさらに悲惨な状況が広がっている。このような大量の餓死者、凍死者に加えて、粛清の嵐も吹き荒れている。韓国の情報機関である国家情報院幹部が明かす。

 

「2015年12月12日に、ナンバー2だった叔父の張成沢・党行政部長を処刑(火炎放射器で)して丸1年が経ちましたが、金正恩はいまだに、張成沢に関係のあった幹部の粛清を続けています。その数は2000人とも3000人とも言われます。張成沢の姉の夫である全英鎮・駐キューバ大使一家、兄の息子である張勇哲・駐マレーシア大使一家も、このほど処刑されたことが確認された。

 

朝鮮人民軍の幹部に対しても、相変わらず粛清が続いています。12月8日には、李炳哲空軍司令官が失脚したことが確認されました」

 

2015年12月17日、そんな不穏な空気の中、金正日総書記が死去して3周年を迎える。遺体が眠る錦繡山太陽宮殿では、金正恩第一書記が盛大な追悼式典を主催し、朝鮮労働党朝鮮人民軍の幹部らを引き連れて出席。偉大な父親の遺訓である「先軍政治」(軍最優先政治)の重要性を、改めて説く。

 

実際、金正恩は2015年12月に入って、1日に砲兵部隊、4日に軍1313部隊、8日に空軍部隊、13日に海軍潜水艦部隊を視察したことが報道された。秋には左足の足根管症候群の手術を受け、40日間も動静が伝えられなかったが、極寒の中、再び旺盛な視察を開始しているのだ。

 

「それはシリアとイラクで猛威を振るっているイスラム国という『新たな仲間』を見つけたからです。北朝鮮に兵器の大量注文が来て、金正恩はにわかに目を輝かせているのです」(前出・国家情報院幹部)

わたしは、この情報の裏づけをとるためピョンヤン入りしたのである。

結果だけを先に報告すると、ピョンヤンの中心部を流れる河、大同江の東側。船橋地区(ノンギョ)と呼ばれ、かつてビール工場などがあったはず。ここが貧民窟が広がっていた。ボロ服を着たひとたちが徘徊しているが、恐らく、地方から食べ物を探しに入り込んだのではないだろうか? わからない。

情報筋によると、すでの2010年3月の地点で、ピョンヤンの配給が維持できなくなり、この船橋地区は唐突に「江東郡」に編入され、配給がなくなったという。ということは、ここの住民ではないか。

 

 

 

 

北朝鮮アセンディング

金正恩の豪華絢爛推戴式

そして”核の冬”がくる!

スーツはロンドンの老舗「スキャバル」製、服地だけで最低1万ドルする。もちろんあたまは「文鎮高島田」、いや、ちがった「覇気カット」で決める。メガネのウエリントンはべっ甲製。この時、33才。

 

北朝鮮の平城で2016年5月6-9日、第7回朝鮮労働党大会が開催された。そこには海外からの要人の姿はなかった。孤立化を深める金正恩政権は中国政府からの干渉を嫌い、ロシアへの傾斜を強めるが、ロシア側からも無視された。これほどロシアのいらなくなった兵器を大量に購入する国はないのに、、。

ショーのクライマックスは4つの肩書きをもつ金正恩氏がさらに5つの肩書き(注1)を推戴し、名実ともに金日成-金日正-正恩と祖父、父と続く独裁政権の3代目を襲名したセレモニーだった。

正恩氏はスーツ姿で雛段に登場した。独特な日本の文鎮高島田の髪型に、メガネのスーツ姿。ビジネスマンの姿だった。それも、海外に伝わっていた肥満した120キロの体躯はこの日のために減量し、あの「覇気カット」と呼ばれる髪型がそれほどこっけいには映らない。つまり、減量には成功したのだ。左足の足根管症候群の手術を受け、40日間病床に伏せていたため肥満体になったようだ。

 

スイスに留学した金正恩氏はヨーロッパの文化を好み、身につけるブランド品、車までEUの品だ。車はドイツのベンツ。特注の防弾ガラスを組み込んだもので自ら運転することもある。

身のまわりのものはすべてヨーロッパ製。これにはわけがある憎き米国の製品はいっさい排除し、国民にも使わせないよう厳命している。ディズニー製品ですらその対象になっていた。ミッキー、ドナルド、熊のプーのDVDを観ただけで、逆さ磔けにされる。ほんとうは収監。

彼がこの日のために人民戦闘服の替わりに選んだスーツは、プーチン大統領もオーダーするロンドンの老舗「スキャバル製」。そして自家用ジェット機もロシア製である。だが、ロシアは意外にそっけなかった。ウクライナとの戦闘など西側で問題を抱え、自国の経済問題で朝鮮どころではない。

国とは名ばかり、ピョンヤンに集ったジャーナリストたちによると、近未来都市のような面と、それではない貧民窟ような両面を併せもつ、つまり40年前の上海のような不思議な街だったという。

つまり魔窟、、、。

地下鉄の駅構内のデザインも一風変わっている。広々としたプラットフォームに高い天井、照明はアジアを思わせる提灯のようなシャンデリアが異国情緒を醸し出す。だが、肝心の電車は一昔もふた昔前のそう、日本の昭和初期のようなものだった。

 

 

イギリスの国営放送BBCは勇敢に”平壌支局”を開設する計画をたて、記者とスタッフを送り込んだ。しかし、この国を取材するのは容易ではない。書けないことだらけ。つまり、北朝鮮側が伝えてほしいイメージと、ジャーナリストが見た現実のギャップ、溝が日本海溝ほど深いのだった。とてもまともな番組などできやしない。

BBCは平壌の病院を取材して、そこでモックアップのように、つまり、北の宣伝映画を制作するのと同じ手法で撮影することを強要される。完成したのがドキュメンタリー「平壌の偽医者物語」。この放送を見た金正恩は烈火のごとく怒った。

そして、BBCは記者、スタッフもろとも北朝鮮国内から追放された。とても残念だが、BBCの予算で北の宣伝映画制作は我慢ならなかったのだろう。せめて1,2年はふんばってもらいたかった。次はロシアのRTにでも支局開設にがんばってほしいところだ。

ドイツの登山家ハラーがチベットのラサに密入国し、ダライラマの教育係と国づくりをした伝記「7YEARS in・チベット」という名作がある。BBCならせめて、「7MONTH ・イン・ピョンヤン」を作ってほしかった。

深夜、この近未来都市(どうも距離は短いらしい)を防弾ガラスを装備したベンツが猛烈なスピードで走り抜ける、運転するのは正恩氏。アップになった覇気ヘヤが関取を思わせる。なんとカーブではドリフトしているではないか。そして、向かったのは高麗ホテルの地下駐車場。ガラガラだ。ここには正恩氏の貸しきり部屋がある。

夜毎、順番でひとりづつ呼び出される北の謎の美女舞踏団「もらんぼん」のおんな。姿勢がいい。美しい横顔。肌、それは透き通るようだ。

彼女の独白

『唄って踊ったのに、、、体重120㌔がのしかかられて、

まるで”罰ゲーム”だわ』。

ひと昔前の「喜び組」と同じ。父、正日氏がやっていた舞踏団”喜び組み”の名前が変わっただけのようだ。韓国の”少女時代”のような位置づけなのかも知れない。平城には春は来ない。冬の次に旱魃があり、そして秋を素通りして、また、冬がくる。

 

極東の沿海州日本海北側)はひとが住まなくって久しい未開地ばかり。魚も自然も豊富だが、北朝鮮が核実験を行っているのが、この沿海州側である。そんなことをしなければ自然豊かな森林地帯で資源開発、観光開発もこれからの土地だった。

 

プーチン大統領もスキャバルをご愛用。だが、ここに登場いただいたのは、アメリカ映画「金正恩暗殺」で映画を非難したときの表情らしい。

 

 

 

ウラジオストクがあの規模の都市になれるのだから、ここに地続きの都市ができればロシア、北朝鮮とも豊かになれるはずだった。つまり、極東の地中海都市である。北、韓国、中国、ロシア、日本が接する国境の街ができれば、それこそがプーチン大統領が望んでいた自由な貿易特区を設けることができた。ロシアはウラジオと、カムチャッカに今春、この政策を打ちだしたばかりで、投資を呼び込もうとしていた。ロシア大統領は喜んで応じたはずなのに。

国境の町はいついかなる時代も生き抜き、かならず繁栄する。それをスイスで学べなかったのが正恩氏の限界だった。冬が過ぎ、旱魃になり、核の冬がやってくる。

 

これからは「元山・金剛山国際観光地帯」の時代だ。スキー場も開くぞ。(注11)

 

 この事態を国連もただ黙ってみたいたわけではない-。

1990年代に入って、国連開発計画(UNDP)の呼びかけで、図們江デルタ開発計画が動きだした。今後20年間でこの地域に300億ドルの巨額な資金を投入して自由貿易地帯をつくり、周辺地域の経済を活性化させる計画だった。

で、どうなったっかて?

 頓挫したのである。

 

 

南北朝鮮の雪解けのとき、観光が再開された金剛山観光は、2発の銃弾で閉ざされた。

北朝鮮の観光地、金剛山(Mount Kumgang)で、韓国人観光客の女性が北朝鮮兵士に銃で撃たれ死亡する事件があった。韓国統一省高官が明らかにした。統一省はこれを受け、同観光地へのツアーを中止すると発表した。

 亡くなったのはパク・ワンジャ(Park Wang-Ja)さん(当時53才)で、午前4時半ごろ、ゴルフコース付近を散歩しているうちに軍の立ち入り禁止区域に迷い込んでしまい、胸部と足を撃たれた。遺体は、軍事境界線近くの韓国・束草(Sokcho)の病院に搬送された。北朝鮮南東部にある金剛山は、1998年に南北和解の象徴として韓国資本による開発が行われて以来、人気の観光地となっているが、銃撃事件が起きたのは初めて。

 

北朝鮮にとっては、金剛山観光は外貨獲得の柱であり、再開を韓国側へ要求している。しかし、度重なるミサイル発射と核実験で韓国側は態度を硬化させた。

さらに、国境付近で地雷が爆破し、一食触発の戦闘態勢に入った。これは両国首脳の対話チャンネルがオープンしていたため回避できたが、地雷一発で戦闘に雪崩れ込む手前まで行ったのである。これは最近の話だ。

 

 

スイス留学時代の金正恩

予測不能でとても危険

中央日報によると

 米国政府が北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)氏のスイス留学時代の同級生を対象に過去の行動を追跡してきたと明らかにした。米政府はこのような調査の結果、金正恩が非常に危険で、予測不可能な人物という結論を下したことが確認された。

 

キャンベル前米国務省東アジア太平洋次官補は、CNNとのインタビューで、「米国政府は金正恩の性格を正確に把握するためスイス留学時代の同級生に面談するなど多くの努力を傾けた」と話した。キャンベル前次官補は、「その結果われわれは彼が非常に危険で、予測不可能で、誇大妄想症があり、とても暴力指向的という結論を下した」と述べた。

 

面談対象者と関連しては、「スイスの学校の同級生だけでなく、幼少時の生活を知っているほぼすべての人に接触し会った」と明らかにした。キャンベル前次官補はまた、金正恩北朝鮮を離れスイスにある学校で7~8年間生活したと理解しているとも話した。

 

金正恩は1998年9月から2000年秋まで「パク・ウン」という仮名でスイスのベルンにあるリーベフェルト・シュタインホルツリ公立学校に通い、90年代半ばにもスイスに留学したという程度だけが知られている。そのためスイスの学校で7~8年生活したというキャンベル前次官補の発言はこれよりさらに具体的だ。キャンベル前次官補は米国政府がいつ、どのように金正恩の留学生活中の行動をつきとめたのかに対しては具体的に明らかにしなかったが、その時期は金正恩が権力を継承し始めた2011年12月前後とみられる。キャンベル前次官補はオバマ大統領就任直後の2009年6月から今年2月まで国務省で東アジア太平洋次官補を務めた。

 

キャンベル前次官補は、「年齢が幼い上に極めて暴力的な人物が北朝鮮の指導者という点は米国としては十分に脅威的。今回の張成沢チャン・ソンテク)粛清事件は北朝鮮が正常軌道を進んでいないという意味」と指摘した。特に「中国の大物外交官のうち1人が北朝鮮を『犬のえさの缶詰のようだ』と話して驚いたことがある。その外交官は『缶詰を棚の上に置いて開けなければ永遠に持続するが、一度開けてしまえばすぐに腐ってしまう』と話した」と伝えた。北朝鮮の急変事態に備えなければならないという意味だ。

 

一方、米国務省は16日、張成沢粛清事件を契機に北朝鮮が追加挑発をする可能性に備え十分な備えをしていると明らかにした。国務省のハーフ副報道官は、「米国はいつもそうであるように、北朝鮮当局に挑発行為をしないよう要求している。北朝鮮の内部状況を綿密に注視している」と話した。

 

国務省は前日にケリー国務長官が中国の王毅外相と電話会談したと公開した。ケリー国務長官は、「北朝鮮が野蛮と孤立、無慈悲さの道をずっと進むのか、そうでなければ国際社会に戻ってくる措置をするのかをめぐり選択しなければならないタイミングはまさにいまだ」と話した。

 

潘基文事務総長「張成沢の死刑は人権法違反」=国連潘基文(パン・ギムン)事務総長は国連本部で開いた記者会見で、「状況を鋭意注視する必要がある」とし、「張成沢の死刑は基本的に人権法を違反したもので、北朝鮮国連安保理決議案を順守し国民の生活を改善させる努力を傾けなければならない」と話した。

 

 

では、ここですばらしく改善された金正恩氏の個人資産をバスケットプレーヤーのデニス・ロッドマンさんが解説してくれる。

大衆網は「ロッドマンが暴露、金正恩からの待遇は七つ星クラス、彼はプライベート・アイランドを所有、無数のお付き添い」を掲載した。

ロッドマンは「北朝鮮での待遇は七つ星クラス、国家元首並みの扱いだったという。ロッドマン氏は金正恩第一書記が所有するプライベート・アイランドに招待された。

島にはゴージャスな施設が並び、60フィートクラスのヨット、数十台の水上バイク、乗馬用の馬などがそろっていたという。また金書記の身辺にはガードマンなど数十人が付き従っていた。」と話した。

 

朝鮮中央通信の報道によると、金正恩第一書記は31歳(現在33)の誕生日を迎え、李雪主夫人とともにアメリカのプロバスケットボール・NBAの元選手・ロッドマン氏らによる親善試合を観戦した。ロッドマン氏は試合の雰囲気を大いに盛り上げたという。試合は47対39で朝鮮チームが勝ち、両チームの選手に記念のメダルとトロフィーが授与された。試合の後、金正恩第一書記は選手たちと面会し、「すばらしい試合が観戦できた。米国の選手たちには、朝鮮で楽しいひと時を過すしてもらいたい」と話した。

 

北朝鮮をたびたび訪れている米プロバスケットボールNBAの元スター選手デニス・ロッドマンは、米誌「ドゥジュール」(電子版)のインタビューに応じ、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記が「(1970年に死去した米ロックスターの)ジミ・ヘンドリックスやドアーズが大好きだ」と明かした。

金正恩氏の超高級クルザー 

クルーザーの価格は870万ドル(約8億3000万円)以上     

どうだ、まいったか!

 

 

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

 

 

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

 

新連載 彼女たちの国境 麗しのピョンヤン物語

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第Ⅰ部 麗しのピョンヤン物語 

   1 結界がはられた異質な世界

   2 性奴隷マーケットの値段 女たちの命を賭けた脱出

       3 国際列車で北京 モンゴル モスクワの旅

       4 うるわしの首都ピョンヤンが縮んでいる

       5 北朝鮮アセンディングの舞台裏 

    6 広西チワン族自治省からベトナムプノンペン

       7 サザエでわかった女性挺身隊の脱北阻止と外貨稼ぎ

 

第Ⅱ部 北アフリカから地中海を渡る

    太陽を背にして

 

第Ⅲ部 ナッシュ博士のゲーム理論

    時間経過とともに不利になる

         地球の裏側で手を結ぶ

         Take the Risk

第Ⅳ部 悪魔の辞典

 

  仮想敵国ゲームの真実

 世界の目は、地中海を越えてイタリアの南端、スペイン、そして、ギリシャに詰めかける中東・北アフリカの難民に向いている。特に北アフリカリビアから小型船で定員を100倍も上回る難民を積みこみ、地中海沿岸で船を沈め、逃げ帰る難民ブローカーの極めて残忍な脱出ビジネスに、世界は目を釘付けになった。

だが、これと同じほど凄惨な事件は、アジアでずっと続いているのだ。中朝国境の吉林省の現場から。

 

 中国、ロシア、北朝鮮の入り組んだ国境を舞台に脱出劇は繰り返されいる。延辺朝鮮族自治州、3国の国境にあるこのちいさな州には約190万人の朝鮮族が暮らしている。

ここに北朝鮮からの難民が越境して逃れてきたのは1990年代の中ごろからだ。実は1996-1998年、北朝鮮は未曾有の大飢饉におちいり、国中の人が食べ物を求めて、国内の闇市場をさまよう事態におちいっていた。

「ひとがばたばたと死んでいった。市場に辿りついたら力尽き、そのまま死ぬひともいた。そして、何よりも配給だけを頼りに生きていたひとたちが、家のなかで全員餓死していた」。その数は200万人とも300万人とも言われる。その後の調査では推定350万人にのぼった。

北朝鮮の当時の事情を振り返り、今は韓国で生活している脱北者は、その怒りの矛先を金体制に向ける。

 

 

 

 

ここは中国、辺境の東北農村地帯。

北朝鮮から凍える河を越えて脱出する北朝鮮のひとたちが潜むのは、190万人の朝鮮族が住む「延辺朝鮮族自治州」。首都平壌(ぴょんやん)の人口は200万人とされるから、かなりの人数である。だが、彼らは中国籍でも朝鮮語が通じ、違いは”方言”程度なのだ。

この朝鮮族自治州に入るには、豆満河を渡ればそこは中華人民共和国だ。朝鮮族の小さな農家の集落がいくつも点在する。冬はマイナス30度(※真夏は40°その差70°)にもなる山あいの農家。食べることにはこと欠かないが、中国の平均的な家庭に比べ、収入は低く、どの農家も後継ぎの長男に嫁になろうという中国人女性はいない。そのため、農家は20、30、40才の独身男と両親の3人で農業を営んでいるという状況だ。

そこに現われたのが、冬の凍れる川を越えて逃げてきた、北の女性である。このルートを使って脱北に成功するには、ある共通した戦術がある。

最初に若い女性を送り込む。そして、定着できたら家族の何人かを呼び寄せ、そこからさらに別の隠れ家へ移し、北京にある韓国領事館やUNHCR国連難民高等弁務官事務所)にかけ込む。

さらにチベットの国境を越えるルートも存在する。だが、現実はそうなに簡単ではない。韓国大使館では実際には追い返される。週に数家族が古い情報をもとに韓国大使館にかけこむが、大使館側も軍のハイランキングの関係者など情報価値のある人間しか認定しない。多くの家族が門前払いされている。

 

北の女性は美人が多いと言われる。切れ長の目、キメ細かな肌。日本人に比べ歯並びがきれいだ。農家にとつぐ嫁日照りに悩む、男たちはほとんどが一目ぼれで結婚を決意したという。

なんと言っても、逃げてきたのは北朝鮮の軍事施設、造船所や軍人家族の女たち。配給だけに頼ってついに餓死者がでるほどの困窮した状態から、脱北を決意したひとたちである。ことに、結婚していても夫に先立たれ(実は北朝鮮では夫が事故死や投獄が多い)、配給が無くなり、一家が苦境におちいったケース。そのなかに未婚の娘も大勢いる。

北の女性がなぜ、越境した中国の農村で迎えられたかはさらに深刻なわけがあった。1979年に中国政府が導入した”一人っ子政策”が進み、女子が男子に比べ3000万人も少ないという歪んだ人口構成が生まれた。農家の子どもは後継ぎの男ひとりしかいなかったのだ。

 

20代、30才前半までなら、嫁入りがかなったのである。だが、聞く話によると、タチの悪いブローカーにつかまると、強姦されたあげく、漢民族相手の娼婦として売り飛ばされる。わずか身体を1日ぶんの食料にも満たない値で売られるひともいた。

この人身売買は地元の中国でも問題になり、中国人のモラルあるひとたちは彼女たちを助けようとした。なぜなら、ブローカーの言うことを聞かないと、中国当局に密告され強制送還されるので、どんなに酷い仕打ちを受けてもいうことを聞かざるを得ない弱い立場にある。

 

北朝鮮で生まれ育った世代は、識字率は100%といっていいほど初等教育は受けている。しかし、高等教育にいたっては1985年以降から悪化している国内経済の影響から受けられないひとが多い。さらに世界の情報からまったく”隔絶された異質な空間”に生きてきたのだ。

それがどれほどすさまじいものか、最初は脱北者からの話を聞いてもそのまま信じれる状況ではなかった。まず、韓国について。

「まちは貧しくコッチョビ(浮浪者)があふれている。それに比べわが国はなんと恵まれていることか」というのは、北が教え込んだ宣伝文句だったとは-。韓国にやってきた北のひとたちは、中国よりさらに進んでいた韓国の首都ソウルと経済力、IT技術に驚愕し、自分の国がどれほどの嘘をついていたかを知ることになった。

それは隠し通せないほどの貧富の差だった。脱北者はまず、ハナ院という韓国での生活に適応できるよう、教育施設に入ることになる。しかし、それは地下鉄の乗り方とか、韓国の習慣、パソコンなど職業訓練など、いわゆる生きて行くために必要な知識を得るためにすぎない。そして、韓国定住資金として、約350万円の現金が支給される。いわば、文字通り地獄から天国へ行くほどの開きがあったのだ。

1996年ごろから脱北者たちは増えはじめ、年々増え続けている。平均すると年500人程度。これはあくまでも脱出に成功したひとの数でおそらくその2倍のひとが北朝鮮に送り返されている。初犯の場合、労働鍛錬隊コパックに入れられ、昼間は労働に駆りだされる。ここには中国から収監された者のほか、職場放棄した者が思想再教育を受ける場のようだ。期間は1カ月。

しかし、もっと重い刑(主に男性)は牢獄に2カ月間収監され、その間に与えられる食事はトオモロコシ30粒が入ったオモ湯だけ。これが日に3回。当然、栄養失調になり、やがては深刻な飢餓状態におちいる。そして、体力が衰えた者から次々に死んでゆく。生存率は50%という。

中朝の密輸業者から、北のひとたちは「犬でも白めしをたらふく食っている」という話を聞き、それが本当ならわれわれよりはるかに豊かなのだと眉唾ながら思ったそうだ。

1996年からの大飢饉により、軍人たちも家に帰るよう指示される。国家財政もひっぱくし、軍に配給さえなくなった。当然、工場従業員も解雇され、特権者層を除いて、生活する手段を失ってしまう。

最初は家財道具を食料に換えたり、着物や装飾品や骨董品などを闇位置で売り、とうもろこしなど食料を手に入れていた。それも1年が限度である。そのころはまだ鉄道、バスは走っていたがやがてはバスさえも走らなくなった。ひとびとは数人で車を用立て、何人かで闇市場へ、食料を求めて旅するようになる。

 

咸鏡北道(ハムギョンブクト)での警察内部の情報によると、「保安員(警官)は本来、国から充分な配給をもらえることになっている。国の規定では、コメ7割に雑穀3割を混ぜた配給がもらえるはずだが、規定どおりにもらえた試しがない」と語る。

配給は、半年分を一度に受け取るが、コメではなくトウモロコシの粉だ。それも、運搬過程で横流しされ、手元に届く時には、3分の2に減少。さらに、半年分を受け取ったところで、長く保管できない。

そこで、保安員(警察官)は違法とわかっていても、もらった配給のほとんどを市場に横流しする。しかし、市内の他の保安員も同時に受け取り、同時に横流しするため、安値で買い叩かれる。そして、収入も食糧もない保安員の家族は、たちまち飢えに苦しむ羽目になる。実は咸鏡北道には3000人を超す最大規模の収容所が2つも確認されている。

この収容人数は尋常ではない。

 

 

 

どこで食料が出回っているか闇市場の情報を仕入れると、一家の主が親戚や知人から売れるものを集め、雑穀を背負って帰ってくるのを家族は待っているのだった。しかし、買出しのひとも行き倒れたり、収監されるようになった。

理由は軍人たちも飢え始めており、雑穀袋を背負った一家の主から力ずくで、食料を奪う。なかに軍人と争ってそのまま収監されるひとが出始める。食料を手に入れる手立てを失ったひとたちはこのまま餓死するよりは、もっと北へ逃れた方が生きのびるチャンスがあると考えるようになった。

 

 

 彼女たちの国境

彼女が旅した極限の1万km

麗しのピョンヤン物語

北朝鮮アセンディング

ジョン・ナッシュ博士のTheory of Gameで紐解く

仮想敵国ゲームの真実

10月10日 刊行

 

 

彼女たちの国境 飢餓性奴隷自由 原題 北朝鮮アセンディング (Japan Cyber Library)

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素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

 

 

 

 

北朝鮮の核ミサイル搭載原子力潜水艦 ナッシュのゲーム理論で読み解く  

日本急襲 時間が経つと不利になる日本

 

ナッシュのゲーム理論で読み解く

北朝鮮・中国は互いに連携している」l。l

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 北朝鮮の核搭載ミサイル開発が危険水域に達した。既報のとうり、旧ソ連邦の原子力潜水艦の技術を獲得し北朝鮮は、核兵器で日本の全都市を攻撃可能になる。

北朝鮮の仮想敵国は韓国、日本、アメリカである。このアメリカの核の傘に入る日本、韓国が最も危険な状況に陥っている。

実は北朝鮮を攻撃する国は世界にどこにも存在しない。金正雲が自らの独裁体制を維持するためだけに、緊張関係をつくりだしているのだから。つまり、本質的には数学者アラン・チューリングの半生を描いた映画「イミテーション・ゲーム」である。だが、核は実在しており、そのボタンには指は乗っている。

 

北朝鮮は韓国とロシア、中国と国境を接しており、日本とは日本海を挟んで対峙する。戦争に入るという緊張状態で現体制を守ることに汲々としている。

 

現在に置かれた状況をジョン・ナッシュ博士の「ゲーム理論」戦争版で紐解いてみたい。

 

ゲーム理論は経済学、自然科学から戦争戦術理論までに応用される数学理論で、ナッシュ博士にノーベル賞をもたらした応用範囲が極めてひろい戦術組み立て理論である。

実は日本が第二次世界大戦で比較的、簡単に連合国に負けたのは、暗号理論、ゲーム理論の2つの数学分野で決定的に西側に遅れていたからだ。日本軍はこの理論にまったく学習してないことはゲーム理論を扱った軍事教科書に掲載されている。

 

 

 

北の核問題の登場メンバー

北朝鮮、韓国、日本、アメリカ、中国、ロシア。この6カ国は、現在の緊張関係から、それぞれが最大の利益を得たいところからこのゲームはスタートする。

ゴールはそれぞれ異なる。北朝鮮は核の脅威を武器に経済援助を勝ち取りたい。自国民に北が偉大な指導者により、勝利を勝ち取ったことを世界に知らせたい。日本、韓国、米国は核施設を廃棄させたい。経済援助はするが強請体質を見直すこと。日本に至っては、現状は防衛すら放棄している。

 

 

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北朝鮮 金正恩は独裁体制を維持したい。経済援助を勝ち取る

韓国  予測不能な戦略をとる金正雲を排除したい

日本  戦争に巻き込まれたくない。最初に北の核の被害に

米国  イージス武器システムをすり抜ける核潜水艦に神経

中国  この状況を利用した、尖閣諸島など海洋で実行支配へ

ロシア 軍事兵器の大口購入先である北を支持 武器技術供給

 

互いに利害が異なっており、日本はオリンピックどころではないことはない。ここからすぐにしなければならないことがひとつだけある。できることは損害を最小限にすること。

 

それは日本国内にある原子力発電所の稼動停止である。福島でもう日本人は全員懲りているのに、なぜかまた稼動させたい愚かなひとがいる。電力コストは死ぬほど安い水準で将来的にもっと下がる。本当だ。別記事参照(シェールガス革命の記事参照)

 

 

 

先攻は北朝鮮

◇韓国を実攻支配したい。米軍がすぐ背後に控えているのでできない。核の威力を見せつけ有利な状況で経済援助など交渉の舞台に米国を引き出したい。

しかし、それは金正恩体制が崩壊する危機を免れるための緊張関係の演出であり、そもそも、あるのは正恩の父親金正日体制で連れ去った日本、韓国人の返還問題だけ。それ以外は何もない。

本質は金正恩の独裁体制の引き締めのために絶えず日本、韓国、アメリカを挑発し続けなければならない政権構造にある。

 

ゲーム戦術には、純粋戦術一本槍では勝てないことが証明されている。そこで、相手に手のうちを読まれないために混合戦略を採る。つまり、ポーカーでいうブラフ(はったり)も必要となる。戦術を読まれることがもっとも愚かなこと。

金正恩の「予測できない攻撃的な性格」というのは、そうしなければ、無視され続けるからだ。だから、何度かに1回は、緊張を極度に高めるすれすれの攻撃を織り交ぜている。

金正日死後、最初に韓国の静かな孤島を突然、攻撃開始したのもその戦術の一環である。島民は平和な島が総攻撃されて、平和ボケから目が覚めたという。韓国はもっと緊張感をもっているのは「シルミド」という韓国映画を観るとわかる。これは韓国船級協会の当時の東京事務所代表が薦めてくれたものだ。

 

 

◇日本、韓国の立場

日本、韓国は国の指導者として金正恩の統治体制を疑問視しており、特に韓国は「予測不能な金正雲の性格から、いつかは示威行動を超える攻撃にでる」可能性を危惧している。

日本海と本州を超える弾道でミサイルを発射するが、計算どうりにはいかず、本州を攻撃したあとに、「あれは事故だ」と中国側割って入る策略を打ってくる。攻撃後に中国が仲介役のふりをして、最大の利益を獲得する。日本は攻撃され損になる。

つまり、韓国では戦火は開かず、日本に被害がでる可能性が極めて高い。

理由は簡単だ。安部首相が「不戦の誓い」を行っていることを愚かに奥さんが、世界に公表してくれるほど平和ボケしているからだ。「攻撃してください」と言っている。

国民はすでに日本の首相になる人間は戦争回避能力をもつひとしか選ばない。それをわざわざ、首相の心のうちを主婦が語りだし、手のうちを見せるのはあまりに愚かだ。

反撃しない。反撃するとしても3クッションぐらいはあるので、攻撃しやすい日本に照準が絞られる。その間に和平工作を進めれば、平壌は反撃されないかも知れない。中国が楯に入ればその通りになる。

 

◇中国の立場

動かなくて静観するのが一番。アメリカがこの問題に神経を使っているときに尖閣南沙諸島の海域を支配にでたい。日本がもう一度、東日本大震災の被害を受けることは利益にかなう。東光ようかい(機会を待って力を蓄え、勝てるときに勝負にでる)を胸に秘め、ことあるごとに海洋を実行支配を進める。中国国内の経済停滞を海洋資源開発と漁獲資源で補わないと、13億人を養えない。2049年までに世界の覇権を獲得する。それ以外のことは考えていない。

 

◇ロシアの立場

西側の経済封鎖がボディーブローのように効いて、ロシア国内の経済は悪化の一路を辿っている。こんな時期に武器購入先であり手なずけた北朝鮮は、自国ロシアの利益をもたらすチャンス。それより、ウクライナ情勢の方が優先である。そして、シベリアの資源開発を進めたい。そのためにはウラジオストクカムチャッカの人口減少に歯止めをかけたい。

 

 

日本が、この北朝鮮の戦争ゲームを阻止するのは、ロシアか中国のいずれかを味方につけることである。だが、良く見ていればわかるが、この2つの大国は静観するのが一番の得策で、利益を最大にできることを知っている。

だが、どちらかに働きかけるとするならば、、、。

 

 

正解はロシアである。実は中国の現体制の12人の共産中央委員会メンバーは、現体制維持のために、北と同じように仮想的国ゲームを進めている。このため、北朝鮮の危機を排除できたあとに、もっとやっかいな中国の挑発が今後も50年は続くだろう。本当だ。(別記事)

 

ではどんな戦術をとるべきか?

ロシアと極東開発について米国、韓国、日本の3国でカムチャッカウラジオストクに今年、プーチン大統領が設置した自由港、経済特区に3国合同の投資プログラムを置く。米日韓の3国合同で足並みを揃えたコンソーシアムでなければ意味がない。

これまで、サハリン沖などアメリカが独自に、ウラジオでは日本と韓国が個別行ってきたが、互いに国境を接している(実はカムチャッカの対岸はアラスカである)このラストフロンティアは、EUが抱える難民問題を解決できる奇策になりそうだ。奇策とは奇抜だが実行できる平和的解決策である。ロシアは何も政治犯や囚人にこのシベリア開発に送り込まなくても、道は拓けるかも知れない。ロシアのウラジミール・ポーチン大統領が旧ソ連邦の原子力潜水艦と核開発技術者を平壌から引き返すように仕向ければ、危機は少し遠ざかる。

 

 つまり、3対3ではなく、2対5へ持ち込むのが日本がとるべき戦術になる。2対5の5は米、日、韓、ロシア、EUである。

日本は米国、韓国、ロシア、そこからEUへと繋げれば、相手の情報をもとに、先制攻撃できるようになる。だが今の、日本の外務省にその情報を集める能力はない。以前、わたしはそこに取材に入っていたし、防衛庁の本部でトップにインタビューしたこともある。

 

 すでにIS(イスラム国)の攻撃を逃れた難民救済に日本は3年間で巨額の資金提供を発表したばかり。さらに、核攻撃回避のためにロシアへの出費は気が重くなる。できることは、日本国内の原子力発電所の稼動を止めるだけ。被害を最小限にすることだ。

それ以外に最適な戦術は存在しない。安部首相の奥様に期待したいのは日本の首相官邸の情報を世界に暴露することではなく、原発の停止を呼びかけることです。国民の不安を拭いたいという気持ちはわかるが、首相の考えを公にするのは本人が報道官の仕事。時期があまりに悪すぎる。

かなり、大きな地震が世界規模で2カ月おきに起きている。頻発している。イタリアの地震は規模が小さかったが、それ以外は100人規模の死者がでている。南海・東南海地震が早まるかも知れない。こんな情勢で誰が四国の原発を動かしたいのだろう?

 

ドイツからの警告

ドイツから警告が届いた。それはEUの難民政策に巨額な援助を申し出たお礼だ。それによると、オリンピック開催時前後に、中国と北朝鮮の挑発的な攻勢が繰り返し行われ、常套手段になると。日常的に行われる。わたしはもっと早い時期に起こると見ている。米国の大統領選前に、北朝鮮は一段と核ミサイルと原子力潜水艦による挑発を加速させる。そして揺さぶるように中国は実行支配海域の拡大を図る。

 

これですべての謎が解けると思う。この2国は互いをチェスのコマのように使っている。つまり、北朝鮮と中国にとっては米国大統領選挙、決戦時にもっとも苛烈な攻勢を仕掛けてくる可能性が高いのだ。そして、最悪のシナリオではわれわれは4度目の被爆国になる。

平壌と北京は直通の鉄道ダイヤが存在する。この2都市の距離は西側からみるよりも、もっと近いのだ。すぐ目と鼻の先。平壌への核攻撃は、北京が楯になる。

 

 

われわれができることは、①国内の原発の停止 ②首相官邸の情報収集能力の改善 ③2国の攻勢を前もって自国で分析できるようにする(外務省の現地駐在員と組織レベルを引き上げる) ④被爆を想定した首都機能の移転先の決定 ⑤それ以上は公にできない。

 

 

この記事はドキュメンタリー「素数の戦術理論-素数解明への大航海第2部」のオリジナル原稿です。中国は最近まで、友だちの国で、お互いに尊敬の念をもって接してきましたが、江沢民習近平体制へとバトンが継承され、日本を敵国視する宣伝を続け、急速に関係が悪化しています。

日本の沿岸警備隊に相当する海上保安庁が、以前、日本海北朝鮮哨戒艇(12メートル)と海上で戦火を開いたとき、戦力で圧倒的な優位な日本が、信じられないほど無様な防戦ぶりだったことを平和なときだったので新聞記者は報じなかった事実があります。

この問題は、放っておけば放っておくほど、時間経過とともに、日本は不利になり、被爆する可能性が高くなるゲームです。

 これは架空の問題ではなく、北の立場にたった場合の戦術は

①標的に日本を選択する

②北京には前もって(演習という名目の)攻撃を予告 

③米国に反撃される前に中国が楯に入る 

④米国大統領選挙(ポリス不在時)に攻撃にでる。もちろん副大統領に核ボタンは渡されるが、経験値で決断は優柔不断になる時期を急襲する。

 

9月1日の段階では以上のような分析に落ち着く。そして、米国が反撃にでた場合、中国が戦争仲裁に入り、結果はどちらに転んでも、「中国は戦争を仲裁できる国」のイメージを世界に与えることができる。

 

 

 

参考文献 ゲーム理論 ジョン・ナッシュ、世界で最も美しい理論 ゲーム理論ほか

 

用語解説

イージス武器システム

 イージスとはギリシャ語の楯のこと。ミサイルを空襲で撃墜するレーダーと迎撃ミサイルの複合システムを護衛艦に搭載。日本はすでにイージス武器システムを搭載した護衛艦(日本の名山の名称を使用)を日本海側に配備している。

 

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

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