ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

デモ隊 ドイツ大使館めざす 


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民主派デモ隊はドイツ大使館をめざす


[Bangkok]


未来がない。

そう思った人々はどうするだろう?


大学には入学出来た。しかし、もう学費は払えない。食べて行くことさえ、ままならないのだ!


このコロナ禍で、アルバイト先は見つからない。探せば時には見つかる。


コロナ以前はコンビニのバイトで1カ月フルタイムで働いて1万ー12000バーツ。33000円から36000円。




大学卒で企業に採用なら6万円位に。

だが、ほとんどの人は学士になれない。


這い上がれない。


「屋台にカオマンガイ(35バーツ)があるから生きている」とタイ人の彼は笑ってみせる。が眼が笑っていない。




 バンコクのデモで白いボードを掲げて参加する学生を見た人は多いと思う。


何も書かれていない。


白紙。


その意味は、

「未来がない。希望がない!」。


がんばっても部屋代を払うために働いている。だが、アソーク、プロンポンからトンローにクラブに集まるハイソな人々。

労働者層と富裕層の違い。



心底そう思ったら、人はどうするだろう?



それが今回のデモのウネリとなっている。



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ルンピニー公園



タイの学生ら若者は25日、プラユット首相が学生らが要求した24日午後10時までの辞任に応じなかったため、大規模な反体制集会を展開。


きょう26日にも在タイ・ドイツ大使館に向けてデモ行進する。ワチラロンコン国王が普段はドイツに滞在している。

そこから、王室行事がある時だけ、タイに帰国していた。




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国民のわずか1%が国の富の50%を支配する世界一の格差社会となったタイ。


裕福な層は相続税がゼロだから、生まれた時に人生が決まる。


だが、それは幸運に過ぎない。

最も幸運な人は今の国王かも知れない。英国王室の80倍もの王室予算を持ち、世界のどこへでも100人規模の王室が欧州に移動した。


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観光再開で打開策を探るタイ政府


だが、中国が海外旅行の再開にストップをかけた。




 中国文化観光省は、新型コロナウイルス感染再拡大を防ぐため、引き続き海外への団体旅行を禁止し、旅行代理店にインバウンド旅行を認めないとウェブサイトで発表した。


中国が海外旅行を制限していることで、タイなど外国人旅行者への依存が大きい国の観光業界は大きな影響を受けている。





理由は欧州で再び猛威をふるい始めた。


 マクロン仏大統領は23日、フランスの新型コロナウイルス対策は少なくとも来年半ばまで続くと述べた。フランスで確認された感染者数は累計100万人を超えた。



WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は記者団に、「今後数カ月は非常に厳しいものになる。一部の国は危険な方向へ向かっている」と述べた。

ヨーロッパはほぼ全域がコロナ第二波に捕まり感染拡大が止まらない。


世界全体の感染者は累計4200万人以上、死者は110万人以上に達する。



対立する勢力



タイでは民主派のデモ隊が24日午後10時を期限にプラユット首相の辞任を求めていた。

これと並行して現体制を支持する王党派がデモを行い、現体制を支持する。



タイ全土でデモが活発化する。現在までは平和的にデモが展開されて来たが、民主派のデモはさらに勢いを増す。


出口が見えない!





地球は丸く閉じている。

すぐに波紋は広がり、やがて跳ね返ってくる。


因果応報、コーズアンドエフェクト。

何処かで誰かが、有利に立っても対岸から切崩される。


世界には「智足ー足るを知る」という言葉を知る人はほとんどいない。



人が生きていける以上のものを欲する欲望が、生きてゆけない人々を苦しめる。


 コロナウィルスの蔓延は、ヨーロッパとアメリカ、インド、ブラジルとアジアのインドネシア、フィリピンで、この苦しみは広がる。


これを凌ぐには「タンブン」するしかない。


日本人も「足るを知る事」「タンブンー喜捨の精神」を知る人は少なくなった。


だが、まだ、タイには知る人々が生きている。