ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

デイリーメールの悪夢に苦しむ人々

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パタヤがどうなったか気になる

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英国のタブロイド紙「デイリー・メール」などが、パタヤを「世界の性産業の首都」などと報じたことを受け、国際的なイメージ改善のため、タイ政府はパタヤ市の歓楽街の規制をさらに強化している。

 

実はデイリーメールとは、さりげなく読む日本の週刊誌のような位置づけで、タイの実情を的確に把握して、タイ人のひとたちの生活まで考えて報じているわけではない。


今後5年でパタヤのバービア群を一掃

急先鋒は女性初の観光大臣に就任したコープガーン・ワッタナワラーングーン氏

 

タイの高級リゾート地・パタヤは「夜の街」としても知られる歓楽街で、多くの女性が性産業に従事している。だがコープガーン・ワッタナワラーングーン氏が観光大臣に就任すると、性産業に対する大規模な取り締まりが行われるようになり、パタヤも今後どうなるか不透明。



「今後5年でパタヤのバービア群を一掃し、一級の観光地として再開発する」という政策を打ち出した。

 

パタヤのソイ6では午後6時以降からのアルコールの提供。それと同時に覆面捜査の実施などを行ってきた。

 

世界一級の観光地とはプーケットより上を行く観光地をめざすことになるのだろう。ではラスベガスなのか?

 

ソイ8はホテルに少しづつ入れ替わってる。

カジノという言葉はこれまで出ては消えて、を繰り返してきたが、「カジノならパタヤ」という認知度はすでに高く、イメージ的に違和感はない。

 パタヤの実業家、地主、行政関係者といった匿名による(うわさレベルを含む)話を総合すると、インフラの再開発やレジャーごとの地区分けに乗り出せば、3―4年である程度の街の再生が可能と踏んでいる。

 実際、それに向けた動きがある。各方面での開発が着々と進み、多くの新たな計画が検討されている。パタヤ近郊40キロの空の玄関口、ラヨン県のウタパオ空港は昨年、軍民共用の商業空港となって路線をどんどん増やし、新ターミナルビルも完成間近。空港からパタヤまでの道路開発はとてつもなく大規模。

 

しかし、パタヤには貧しいタイ人たちが出稼ぎにやって来る街という別の顔もある。彼、彼女たちの雇用を守れるのか?

本誌の取材では最新のデーターではゴーゴーバー、ビアバー、ディスコなどの店舗はなんと、2500店。世界最大である。

ベガスを目指すより、敬虔な仏教徒で誰からも親しまれるタイ人の生活の方が、大切なことに気づいてほしい。

 タイの人気はタイ人の温かい人柄と敬虔な信仰心をもつ東洋でもっとも美しい都市だから。

そう、たとえ体を売る仕事についていても、さらに貧しいひとに彼女たちは施しをしているのを何度も見かけた。そして、手を合わせる姿も。

徳を積めば、たとえ貧しくて体を売っていても、タイのひとは彼女たちを差別しない。そして、無事、結婚もできる。

それに身体を売っているのは子どものため、下の姉妹のために家族を救うために身を切るような崖っ淵に立って飛び込んだ娘さんもいた。

デイリー・メールが1-2週間の取材でタイにあるすばらしい仏教徒の寛容な精神を理解できたとは思えない。

一級の観光地をめざすのは賛成だが、それに取り残される貧しいひとたちに救済策も併せて立案してほしい。

かつて、タイのTVドラマで活躍していた女優がホームレスになってパタヤの少しはずれのごみ置き場に住んでいる。社会保障セーフティネットのないタイ社会で、これほど、庶民の人たちを苦しめる記事はない。

ちゃんとして取材しろ。デイリーメール!