ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

朝日新聞の屈辱 権力監視と記者のスプリントに復活を期待

 「朝日新聞の信頼度は日本の有力紙の中で最下位」という衝撃的な調査が発表された。英国オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所が毎年行なっている国際的なメディア調査レポートの最新版『Digital NEWS REPORT 2018』によると、日本の新聞で読者の信頼度が高いのは、1位が日経新聞、2位地方紙、3位読売新聞で、産経新聞(4位)や毎日新聞(5位)、朝日新聞は6位(最下位)となった。“日本で一番信頼できない新聞”という評価だ。

 

 

 朝日新聞は高学歴層が読む「日本のクオリティペーパー(高級紙)」と呼ばれ、政治報道でも時の政権を揺るがすスクープを連発してきた歴史を持つ。

田中角栄元首相を失脚させたロッキード事件をはじめ、竹下内閣を退陣に追い込んだリクルート事件など大型疑獄事件はいずれも第一報は朝日のスクープだった。

 朝日が権力を監視する「第4の権力」として世論に大きな影響力を持っていたことは間違いない。ところが、今や朝日が報じても世論は動かない。森友・加計問題報道がそれを証明した。

 朝日は森友学園に対する国有地格安売却の事実をいち早く報じ、加計学園問題では、「首相の意向」文書をスッパ抜き、さらに財務省の森友文書改竄を掘り起こした。だが国会は紛糾こそすれど、安倍政権は権力の座についたままだ。

 新聞がいくら政治の腐敗をスクープしても、媒体が国民に信頼されていなければ世論を動かせない。

 

この時期の朝日新聞は連日のキャンペーンを行っていたように、大見出しと関連記事で畳みかけていた。あまりに面積を取りすぎていた。これでは緊迫する海外情勢を伝える重要な記事も載せられないではないか。そう訝ったのはわたしだけではなかった。

 

朝日新聞にはスプリント力のあるいい記者を多数抱えている。そして、海外にも優秀な記者を配置している。彼らの力がもっと生かせるようにがんばってほしいものだ。

特に印象に残るのは、EU、難民問題、それにリーマンショックを6カ月も前に警告してきた記事である。

権力監視と世界情勢のスプリント記事のバランスが朝日を蘇らせることを願ってやまない。

 

 この調査は今年1~2月にネットによるアンケート方式(日本のサンプル数は2023人)で行なわれ、新聞、テレビ、週刊誌などの媒体ごとに信頼度を「0(全く信頼しない)」から「10(完全に信頼がおける)」までの11段階で評価したものだ(朝日は5.35ポイント)。

 

オックスフォードではなく、本来は日本の大学のマスコミ研究学部が調査するべき内容ではないだろうか?

 

 

 

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