ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

プノンペン  愛と身請けの境界線 連載9

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 愛と身請けの境界線

 

朝なぜかプノンペンで早起きした。10時頃、電話が鳴った。 ビジネスマンの友人だった。ひる頃 、もうひとり別の友人が来るので 一緒に飯を食う約束をした。昼にベトナム女性が部屋にやってきた。彼女を紹介して 約束の時間まで ちょっと各自の部屋で休憩。 12時、全員と合流。餃子を焼いて20年というおやじがやってる店があるというので連れていってもらった。うまかった。4人でタクシーをチャーターしてスワイパーへ向かった。 彼女も着替えを取りにいくつもりだったのでちょうどよかった。

 

11番館の駐車場に到着。2人は11番館に。俺は彼女に手を引かれ 強引に自分の店に連れていかれた。 他の女とやるつもりなどないが全く信用がない。店は歓迎ムードでみんなにもみくちゃにされる。友人の18才の子を紹介された。鼻にピアスをしてる今ふうの娘。3日前にまた スワイパーに戻ってきたという。最初は驚いた。せっかく足抜けしたのに、、、。なぜ、舞い戻ってきたのか。

 

この置き屋のママはがめついので、俺の払う1日貸しの 料金だと彼女が店で立って 稼ぐショートのほうが見入りが多いので 、俺にもっと出すように言ってる。

彼女は 怒鳴りまくって 着替えを持って 早々と 店を出ようと 俺の手を引っぱる。 友達の事を聞くと やきもちやいて 「私じゃなく友達でも別にいいよ」とすねてる。

 

途中、高倉くんと会う。彼女を知ってるようで 「インターネットで 出てましたね。 日本人に大人気の子です」と言っていた。スワイパーを女の子と手をつないで 歩くのは 何か恥ずかしくて 照れてしまう。

本当は3時半まで 時間をつぶすつもりが 彼女をいろんな日本人が見てるので嫌がって、ビールの酔いと寒いのもあって先に帰ろうと言い出した。

 

バイタクで帰る。部屋でウトウトとしてしていたら男2人が帰ってきた。彼女はベットで寝てる。Sさんは スワイパーの茶屋でたまってるプノンペン滞在日本人を見たが、何か異様な雰囲気で声をかけれなかったと言う。

 

バンコクから来た友人のために「NAVYとライライに行こう」と誘うのだが 彼女を連れて行くわけには 行かず どうしようかと思った。ベットでシーツを被って 寝てるので 「そうっと出てくれば大丈夫」と悪魔のささやきに負け、マイを置いてそっと3人で部屋をでた。

 

近くのライライに初めて行った。店にはKARAOKE マッサージと書かれていた。噂通り 中学生のようなガキが マネージャーをしていて 笑ってしまう。店はバンコクの ソープみたいに金魚鉢になっていて ベトナム人が30人ぐらい座ってる。日本人のおっさんが2人 すでに ソファに座っていたが スーツ着て 何してんだ?という感じ。

でも、結構 かわいい女がいたが、これで5ドルか? こりゃ かつてのバンコクの全盛期の茶室以上だな。

 

次はNAVYに向かった。ここは友人いわく テクニシャン揃いという。店を見た感じ 俺はここが気に入った。理由は 全員うまそう。

 

マイが起きていたら嫌だな、女を見に行ったことがばれるなと ドアを開けたら案の定、起きていて、俺と目を全く合わせない。ここでうっかりあやまったらバレバレだし、普通に装っていたが全く俺の目を見ないので、結局 意味もなくあやまって3分ほどで許してもらった。

 

「女を見に行ったんだろう」とやはり言っていた。まあ、しかたない。バンコクじゃ誰にもやきもちをやいてくれない身。

1時間ほどしたらみんなが帰ってきた。預かっていた荷物を渡した。明日、朝が早いから空港ちかくのホテルに行くそうだ。バンコクにきたら「今度は俺が案内しますからノーハンドでもいきましょう」と握手して別れた。愉快でバイタリティにあふれた人だった。 Sさんも しばらくして 帰ってきた。きついと疲れきっていた。 晩飯まで 部屋で寝ましょうということになった。

 

 夜7時半にSさんからの電話で 餃子館に行こうと誘われる。 マイは ラジオの曲をテープにダビング中で 入るわけないのだが 「録音してるから しゃべってはいけない」と かわいい事をいってる。ZTVでK1をやっていたのもあって 遅れて Sさんと合流した。

餃子館でどう注文しようかと思ったが 昨日の料理をデジカメに撮っていたので それを見せるとOKだった。

水槽に入っていたうなぎを店員が必死でつかんで 調理室に運んでいった。マイは蟹を見て これがいいと 興味を持ったのでそれも注文した。

 

Sさんは 「もうずっといるみたいな感じがするね」と俺とマイの事を言う。そういわれれば、俺も、もう長い知り合いのような気になっていた。

 

飯がうまいんでビールもうまい。マイはカティンデンを飲みながら 蟹をうまく割って食べている。

Sさんに「明日 どうするんの?」と聞かれ、そう言えばカンボジアに来てからは先のことは全く考えてない。俺にとってもカンボジアは年末という事もあり、全くの旅行気分だ。先の事など考えず、思い切りリラックスしたい。

 

そういえば もう3日目になるのか 早いような短いような 時間の感覚はあんまない。あんまりそういうのにとらわられてない。 そういうのも 久しぶりだ。ネットもできないので かなりの開放感である。

 

帰りにサンドイッチを買って 部屋に戻った。まだ9時である。 ロビーで同じマンションに住んでいた日本人と会った。偶然だな。

部屋に戻ったらいつものパターンである。ZTVでプロレス見るかエロビデオ見るか 音楽かけて ボーとするか。

この言葉が通じない2人は 少しづつだが心が通じ合うようになっていた。1日のうち なぜか10分間ほど寝てる時に急に彼女とシリアスな話しをする時がある。悲しい曲などを聞いた時に 彼女が涙を少し流している。

 

 

1000ドルの重荷

自分の置かれてる境遇と重なって悲しい歌を聞くと泣かずにいられないのだろう。彼女は1000ドルの借金を背負ってスワイパーにやってきた。倍の値段の借金ができたのは 多分に美人だから貸す方も大丈夫と踏んだのだろう。

 

俺とは3日目なので いろいろと自分の事を話すようになってきた。台湾人に1ヶ月連続で貸し切ってもらってこと。この台湾人というのは、身請けしたやつと思っていた。しかし身請けじゃなく、ただ1ヶ月貸し切っただけのようだ。だが、ほんとうのことはわからない。

 

「あなたみたいに好きになった人は2人めだ。1人目は台湾人 。そして あなた。私はあなたが好きだけど、あなたはどれくらい 私が好き?」 などいろいろとベットで真剣な目で聞いてくる。

目はもうタイ人では見ない透き通った奇麗な大きな目をしている。そしてニコッと子供のように笑う。本当にかわいいと思ってしまう。

 

こんな大きな目で ニコッと神様のように笑う子を俺はもう一人 知っている。うちの嫁である。やはり 辛い境遇を乗り越えたひとの目は、なぜだか人を魅了する。さわやかに明るい。 苦労を乗り越えてきた人間って、本当に明るく笑う。うちの嫁も 苦労という点じゃ スワイパーの子なんかと 比べ物にならないぐらいしている。

 

ニコッと笑う彼女を見て久しぶりに嫁に出会えた気になってしまった。感謝したくなった。この子に何かをしてあげたい。 嫁が地獄のような毎日をおくっていた10代の頃、もしも俺が出会ったらどうしただろうか? と昔 考えたことがある。さっき嫁のように笑った彼女をみて、ああこういう状況をもしかしたら、心のどこかで期待していたかもしれない。何か曖昧だがそうだったような気がする。

 

今の俺にどういった事ができるか。

やはり金しかないのだろう。

しっかりとベトナムに帰れるように金を渡すしかない。

そして、辛かっただろうスワイパー生活の最後ぐらいは ちょっとは ましにホテル生活と栄養のなる食事をとれれば、、。

 

よくよく聞くと 彼女は車で帰るらしく 日取りも 自分の希望だけを前向きに ずっと 話していたようだ。

 

パッポンのバカ娘に 600ドルの携帯を買おうとした俺だから この頑張ってる 彼女に それぐらいは 渡すぐらいはできる。しかも、しっかりとベトナムで 生きるための金だから。

 

「スワイパーでは 夜中の2時まで 客を待たなければいけない。そして昼の12時には 起きて また客を取る。でも あなたといるとこうやってベットでTVがずっと 見れれるし ゆっくりと寝れる。 ありがとう。」

 

そういって 微笑む彼女に いくら渡そうが もったいないとは 誰も 思わんだろう。

 

この3日間 実は バンコクのある事件のせいで 俺は彼女に対して ちょっと 疑うことがあった。ひどい態度をとったと思う。

 

NANAのゴーゴー ティップという呼び込みの女がいるが、そいつは俺の友人にいいようにかましてくれた。俺から見たら、最悪の女で死んでくれっていうぐらいのたちの悪いやつだ。友人は 今時 信じられないぐらい 純情な日本人なので 全くもって いいように騙されてしまった。

 

そのティップという娘は、かわいく人気もある。 そのティップとこの彼女がかなり似てるので、俺はバカだから意味もなく警戒 したのだ。彼女は そのバンコクのティップとは 正反対の 素晴らしい女だった。それがわかるのに3日かかってしまった。本当ならもっと 深くコミニケーションできただろう。 俺はかなり ガードを固めていたので 時間がかかりすぎた。 疑いというのは 怖いものだ。

 

今日はテープに俺との会話を黙って録音してて、それを聞かされてビックリ。ベトナムに持ってかえって、あなたに会いたい時に聞くと言う。

 

今ベットで スヤスヤと寝てる。彼女を ちゃんと最後、ベトナムに送ってやろう。 一緒には恐らく無理だろう。俺はやらなければいけない事だけやる。

 

まだ結論じゃないが 今回の件で バンコクでの遊びが今は急にしらけた。帰っても 遊びにいかないんじゃないかなと思う。やるべき事をできそうな感じがする。辛い環境におかれても泥棒もせず、まっすぐ、正しく生きている彼女を見て目が覚まされた思いだ。

 

そういうタイプの子は スワイパーでも 身請けや 日本人に金をもらったりして 、やはりベトナムに帰っていくのが はやい。逆に 客の金を盗む娘は なぜか 今も スワイパーにいるはめになっている。

実際 俺の金を盗んだある女の子は まだいた。本来なら盗んだ分だけ 早く帰れるはずなのだが、、、。

 

ところで 俺は明日から どうすれば いいんだ。

こういう気持ちになった以上 意味もなく 有り金を ダラダラと使えない。 それなら彼女に渡したほうがいい。かといって来たばっかりで 正月をここで 越すつもりできたのだ。orz

去年は 泥沼で10時間 漬かった分 今回はリッチに 華やかにいこうと 思ったんだが 予想がつかなくなった。

 

彼女に喜んでもらいたい。そして自分も楽しみたい。その折り合うところでうまく遊ばなけりゃいけない。難しい。多分、残りの金は 500ドルと400ドルの900ドルぐらいだろう。

 

後10日ぐらいいるつもりだが、別にそれが1週間にしてもいい。彼女には最低でも 300ドルは渡したい。それだけ ありゃベトナムの実質の年収だからちょっとは一息つけるだろう。

 

まあ そのへんは ゆっくりと話して行こう。全く俺らしい休暇。

やっぱ こういうのっていいな。

 

 

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愛と身請けの境界線2

写真は見請け記事とは関係ありません。現在のプノンペンの美しい娘さん。

女は抱くに限るものだ。こちらは出るものが出して欲がなくなり 物事が冷静に見えるし、女は逆に急にしおらしくなり、やたら甘えてきて立場が逆転する。

さっきまで 俺がキスしたり 気を使ったりしてたが 今は向こうが勝手に抱きついては いろいろ甘い言葉を かけてきて キスしたり 「もう会えない日が近づいてる」と泣いたりしてる。

 

男は30歳になると みんなこんなもんだろうかと不思議になる時がある。さっきまでの気持ちはどこへやら? で正直、急激にSEXで変わる自分が怖いと、今、本当に思った。

 

今日は 昼前に起きた。Sさんと 中華を3人で食べた いろいろ 食えて安かったので よかった。バイタクで3人でシューティングへ これが最悪だった。CLOSEで また バカなバイタクで全然 言ったところに行かないバカおやじで 支払いの件で もめて 嫌な 気分になった。彼女が怒ってでかい声で 反撃してくれて 最後は 周りの おばちゃんも集まって 援護してくれて 助けてくれた感じだった。

 

でも 気分は悪かった。嫌なもんだ。これからは 自分で ちゃんと 値段交渉しよう 彼女に任せっぱなしじゃ 悪いや。

 

しかし、言ったところに行かず勝手に違うところに行くバイタクに いくら払えばいいのか俺はよくわかんないんだが。

疲れ果てて ホテルに戻り寝た。なんか 4日目になるとだれてきて お互い 倦怠期? 夕食に3人で餃子館へ 。

 

ちょうど 部屋を出る時に高田VSグレイシーがZTVでやっていて Sさんは中継だと勘違いして 興奮していた。プライド4だから かなり前のやつなんだが。

 

彼女も ベトナムの電話番号を俺の手帳に 書いて俺に何か説明してたんだが 俺は試合に夢中になってしまい、ほったらかしにしたもんで 飯の最中は 怒って会話はなかった。

 

外に出ても何か感じ悪いので、こっちも無視したら えらい怒って スワイパーに帰ると言い出し暴れ、ケンカ。そしてまた仲直りして さらに仲良くなった。

 

マイは俺の手帳や本や日記などに、やたら自分のベトナムの電話番号を書いている。字が書けないので絵を書いて俺に何かを伝えようとしてる。俺とマイの顔を書いてあとはハートをたくさん書いる。

 

 

 

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上記記事はこの本の抜粋です。R18作品に分類されています。

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