ロシアの招致活動に違法性があったのか、米議会上院では、マケイン軍事委員長(共和党)、メネンデス前外交委員長(民主党)ら13人の上院議員がロシアでの開催変更を求め動きを開始した。
調査に当たった元MI6工作員が注目するのは、ロシアとカタールの主要産品である天然ガスの共同開発プロジェクトをお互いのW杯開催協力のパッケージディールに使った疑惑だ。
プーチン氏は、国営石油会社ロスネフチのイーゴリ・セチン社長とFIFA理事でもあるビタリー・ムトコ・スポーツ相、と側近中の側近2人を集め、招致活動に馬力をかけた。恐らく、ここでロシアのお家芸の資源外交が指示されたのだ。別名はパッケージディール。
セチン社長は2010年4月、カタールを訪問、ロシア北極海沿岸ヤマル半島の天然ガス資源共同開発計画で合意した。同月には、ロシアW杯招致委のメンバーもカタールを訪問、同国のビン・ハマムFIFA理事と会談した。ハマム氏はカタールの招致活動では、アフリカ各国のサッカー協会幹部らに総額500万ドル(約6億円)以上を支払っていた疑いがある。また、11年の理事会会長選で買収行為をしたとして永久活動停止処分を科された。
ヤマル半島には複数のガス田が存在し、推定埋蔵量は38兆立方メートルを超えると見られ、「サハリン2」の5000億立方メートルをはるかに上回り、最大のガス田開発事業。
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