ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

パラレルワールド  超弦理論から平行宇宙へ飛ぶ!

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この1カ月、ほとんど2人は一緒だった。互いに顔を見合わせ、瞳と瞳をのぞきこんだ。別に愛し合っているわけではない。学会に超弦論を発表しようと、若き理論物理学者2人はほとんど寝ないで発表の準備を進めていた。
 夕闇迫るプリンストン高等研究所。冷たい風が研究室を抜けた。
「どう迎えられるか、心配だな」
「確かに最初はとっつきにくいし、受け入れてもらえないかも知れない。でも正しいと思うことはやりとうさなきゃ」
プリンストン高等研究所の若き物理学者の2人はまったく無名だった。フランス出身の繊細なジョエル・シャークに対してジョン・シュワルツは、楽観主義者だった。これまで論文らしい論文は書いていない2人だったが、未来は洋々と開けていた。しかし、それがいきなり、超ひも理論ー。
ジョン・シュワルツ(John Henry Schwarz、1941年11月22日 - )は、アメリカ出身。のちにカリフォルニア工科大学教授になる。楽観主義者らしく笑顔がよく似合う素敵な男だ。
 しかし、さすがの彼もまいってしまう出来事に遭遇する。満を持して発表した超弦理論は、学会でまったく、見向きもされなかった。そればかりか、こんな研究をしているやつらは学会から締め出してしまえという風潮がプリンストンに流れていたのだ。
 問題は、彼らが発表した超弦理論を突詰めると、その世界は10次元の宇宙でないと成立しない、ということに帰結した。
 当時、われわれの住む世界は普通縦、横、高さの3次元。それに進歩派は時間を加えた4次元だと考えられていた。
 フランス人のシャークは弱り、故郷のフランスの高等師範学校に帰り、研究を続けたが、この世が10次元であることの謎を解明するため、迷路に迷いこんでいた。そして、やがては仏教に救いを求め、禅の世界にさまよい、自殺を遂げた。34才の若さだった。
死因は持病の糖尿病の薬を大量に注射した自殺。
ただひとりの理解者を失ったシュワルツの悲しみははかり知れないが、彼は苦難を乗り越えた。それは10年間の長きにわったった。
 ある日、彼の研究に、英国人のルーカス職の教授が加わったのだ。その後のシュワルツの栄光は、ここでは触れないけれど、どんなに不遇であっても、信じた道を進み続けたシュワルツに女神はほほえんだ。
 
 たとえ現在の常識では検証できないパラレルワールド・平行宇宙を研究するカク・ミチオ教授も、われわれは、彼が本気で信じて進んでゆくのを邪魔してはいけない。彼は、暖か人柄で優れた洞察力をもっている。

ミチオ・カク(加來 道雄、Michio Kaku、1947年1月24日 - )は日系アメリカ人(3世)の理論物理学者、作家。専門は素粒子論、とくに超弦理論。1968年ハーバード大学卒業。1972年カリフォルニア大学バークレー校のローレンス・バークレー国立研究所より博士号を取得。 1973年プリンストン大学講師を経て、25年以上ニューヨーク市立大学シティカレッジ物理学部教授として教鞭をとる。現在は同大学教授の他、プリンストン大学ニューヨーク大学の講師。

弦理論に大きな貢献があり、いわゆる弦の場の理論の創始者の一人。科学の普及活動に熱心で多くの著書を出版、ベストセラーも複数ある。科学解説者としてディスカバリーチャンネルなどTV出演もこなす。

 彼のパラレルワールド・平行宇宙はついに証明されたのである、この世界でそれを信じて前を向くことがいかに大切かを彼の人生そのものが伝えている。スイスのセルンで行われている素粒子の衝突実験で消える素粒子の謎を追っていた科学者たちが、その研修を発表したなかに、その行方の候補に平行宇宙論が加えられた。

これにより、カク教授はその苦難に満ちた功績を賞賛され、ニューヨーク市の名誉市民賞を与えられた。物理学で権威のあるノーベル賞にもノミネートされる予定と伝えられる。

10年が過ぎて、わたしはニューヨークに立ち寄ったとき、彼と過ごしたニューヨーク市立大シティーカレッジを訪れ、今は亡き教授の仕事に思いをはせる。そして、申し訳ない気持ちがいっぱいになり「あなたの名誉を傷つけるようなコラムを書いたことを謝ります」そう一言述べるのが精一杯だった。学生棟を後にした。


この項は書きかけの項で、カク教授はお元気です。教授を応援します。

 これがパラレルワールより。


超弦理論 1984年にマイケル・グリーンとジョン・シュワルツ (John Henry Schwarz) が発表した超対称性及び、カルツァ=クライン理論を取り入れた超弦理論 (superstring theory)によって、再び表舞台に現れた。4つの基本相互作用を統一する試みとして注目されている。