津波に急襲されたインドネシアのスマトラ島とジャワ島の間にあるスンダ海峡沿岸一帯では、切迫した状況に陥っており、援助物資と支援が行き届かず、死者が出ている。多数の人々が仮設の避難所に詰めかけている。
一時的に避難所となった地元の学校で活動するNGOは、
「大勢の子どもが熱や頭痛で体調が悪く、十分に水分補給できていない」
「薬が少なく、避難者にとってここは衛生的ではない。清潔な水が十分にない」
「避難者は食料を必要としており、床で眠っている」と言う。
22日夜に発生した津波は、警報システムが作動しないままスマトラ島南部とジャワ島西端にある複数の人気ビーチを襲い、観光ホテルや沿岸部の集落にも押し寄せた。
最新の死者数は429人、負傷者は1485人
行方不明者154人
国家災害対策庁のストポ・プルウォ・ヌグロホ報道官によると、24日夜の時点で負傷者は1459人、行方不明者は128人。
さらに25日、「捜索の手が及んでいない場所があり、犠牲者はまだ増える恐れがある」と述べた。負傷者数は1485人、損壊した住宅やホテルは計1000棟近くに上り、1万6000人以上が避難している。
クラカトア(Krakatoa)火山の噴火に伴う津波で倒壊した多数の建物からは、救援隊が次々と遺体袋を運び出している。甚大な被害を受けたスンダ海峡沿岸地域では、救援隊員らが重機や掘削機、素手でがれきを取り除き、行方不明者や遺体の捜索を続けている。
生存ラインの72時間が刻々とせまった25日夜、懸命の捜索にもかかわらず救えぬ命が余りに多かったため捜索者たちは肩を落としている。