ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

あなたは107才まで生きれる! 長寿の惑星サーチュイン3

 

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第1章 LONGEVITY PLANET SIRT1

         飢餓感が引き金

 

簡単にいうと「飢餓状態」「飢餓感」がサーチュイン遺伝子をONにするらしい。

いろんな説があるが、「食糧難時代を、長く生きる戦略に切り替えることで種を保存しようとする」というのが有力な説明だ。これを裏づけるのが沖縄にいる100才を超えるひとたちの証言である。沖縄は世界に4つある長寿ディストリクトの1つである。100才を超えるひとがざらにいるのだ。100才になった漁師の若さには驚かされる。70才だといっても通用するほど若い。

 

その主因は、ここで採れる食料よりも、もっと、生きることの根幹に関ることだった。それは、満足な食生活が長い間できなかったことだった。

沖縄は、台風が襲来する台風銀座といわれる。島の幅が狭いため、台風のたびに塩害で作物が枯れるのだ。日本の古代人に港川人という身長150センチあまりの男性の人骨が発見され、それを詳しく調べた学者によると、「何度もの食糧難に遭遇しており、上半身が十分に発達していないのは、成長期に飢餓に何度もあいその影響である」と結論づけている。

さらに暗黒の平安時代。頻繁に飢饉と疫病に見舞われ、遷都を繰り返してこの時代、ひとの平均寿命は40才余り、つまり、15才で子どもを生むのがざらで、江戸時代で48才、それは明治を迎えてもほぼ変らなかった。ただ、寿命は50才まで伸びている。

150年前の江戸時代の庶民の生活を記録した外国人カメラマンの記録写真が残っている。そこに写っていたのは、満足な栄養分が摂れなかったため、身長が150センチ未満で4.5頭身の町民の姿だった。つまり、白いお米を食べれるようになったが、それもいつも満足できるほどは食べれなかったわけだ。

また、穀類以外の栄養が摂れず、そのため極端に胴長な体型を保っている。精製されていない栄養吸収効率の悪い穀物を食べていたため、長い消化器官が必要だった。

この話は身体が小さいと信じられていた黄色人種もアメリカに渡った韓国人の2世たちが、食生活が変わっただけで178センチクラスになり、わずか2世代で大型化した。

 

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沖縄はなぜ、長寿なのか?

つまり、「粗食=1日に必要なカロリーの70%を切る」がここのひとたちの長寿遺伝子を呼び覚ましたのだろうという説。沖縄は台風の通り道。台風の通過後には塩害で作物は死んでしまう。その間は漁に出れない。今の100才以上のひとが生きてきた時代と、2017年はまったく食料事情が異なる。満足するほどの量は食べれても、栄養は薄く、カロリーは決して摂れなかったのだ。豚肉などは年にほんの数回の祭りのときだけしか摂取できなかった。

 

 

数学の難問といわれるのは、21世紀に解決されるべきミレニアム問題として、選ばれた7つの問題がある。最近、解決されたのはケプラー予想、そして、ポアンカレ予想である。

ミレニアム問題のほかに21世紀内に解決すべき問題はほかにもある。それは純粋数学の問題ではないが、いくつかの学問にまたがる「人間は何歳まで生きれるか?」という極めて単純な問題だが、とても意味深い難題である。そして、最長不倒年齢が122才。フランス人女性ですでに亡くなっている。

現在の科学では、致命的な遺伝子欠陥がない場合で、あなたも、わたしも100歳までは生きれそうだ。

 

 

 

 

 

第2章 LONGEVITY PLANET SIRT1

納豆が寿命を20-25%伸ばした

日本を追い9年後に米研究機関が発表!

この発表を行ったのはアメリカの研究機関テキサスA&M大学で、学会誌「キャンサー・リサーチ」に発表した。

それによると、実験用マウスに納豆を与え続けると、寿命が25%も伸びたという驚くべき結果だった。

発表では納豆に含まれるスペルミジンが長寿の鍵を握っていると指摘する。このスペルミジンは100年前から知られている物質で、これまでの長寿研究では老化物質の増加を抑制する働きが知られている「SIRT1(サーチュイン)遺伝子の本命とされていた。

 

 

アメリカ・テキサス州のカレッジステーションにあるテキサスA&M大学。19世紀に開学した、同州で最も由緒ある大学。古い建物が並ぶキャンパスの一角に、真新しい設備。中に入ると研究室が連なり、どの部屋にも顕微鏡がずらりと並ぶ。

 

今年の春、この中のひとつのラボで、あるチームが実験を行い、その驚くべき結果がアメリカの学術誌『キャンサー・リサーチ』に掲載された。チームの一員だったユアンリュウ博士は、がんの予防などについて多数の論文を発表している遺伝学者。

リュウ博士が、その時の興奮を振り返る。

 

「実験の結果を見た時、研究チームのメンバーたちは歓声を上げ、手を叩き合って喜びました。なんといっても、生物に宿命づけられた『老化』を遅らせるための有力な手がかりが見つかったのですから」

 

テキサスA&M大学のチームが示した結果は衝撃的だった。鍵となったのは、「スペルミジン」という物質だ。

詳細については後述するが、

結論を先に言えば、実験用のマウスにこのスペルミジンを投与することによって、なんと約25%も寿命が延びることがわかったのである。

 

「にわかには信じがたいかもしれませんが、これは、人間に換算すると、80歳まで生きていた人の寿命が、100歳に延びるということです。現段階の我々の研究では、マウスに限った話ですが、人間にも効果がある可能性は高い。

いま、アメリカ国立老化研究所は、老化防止のために摂取カロリーを減らすことなどいくつかの重要な項目を挙げていますが、スペルミジンの摂取は、それに匹敵する要素となることも考えられます」(リュウ博士)

身近な食品にも含まれるこのスペルミジンという物質は、細胞や血管などに影響を与え、老化を防ぐ力を秘めており、いま注目を集めている。それだけではない。さらに、認知症を防ぐ効果があるとも考えられている。

「健康長寿」の切り札とも言えるこの物質の存在は、少なくとも20世紀はじめ頃から確認されていた。精液を構成する物質として知られ、その名称も精液=spermaに由来している。

 

だが、近年になって、健康長寿効果を示す研究が次々と発表されてきた。いったい、どんな物質なのか。

日本にも、スペルミジンの研究を進めている人物がいる。乳製品メーカー「協同乳業」の研究所に所属する松本光晴氏である。

 

--スペルミジンは、どんな物質ですか?

 

「スペルミジンは、『スペルミン』や『プトレッシン』などとともに、『ポリアミン』と呼ばれる物質のひとつとして知られています。これらポリアミンは、すべての生物の細胞の中に存在している。細胞分裂を助け、細胞の状態を正常に保つ働きを持つ重要な物質です。このポリアミン、もちろん人間の細胞にも、生まれた時から存在し、その後も細胞内でつくられているのですが、年を取るにつれて、その量が減っていくことがわかっています。

だから我々は、ポリアミンを合成する(つくる)能力が衰えることが、老化のスタートなのではないかと考えているのです。一方で、ポリアミンを多く含む食品を食べたり、腸内細菌にポリアミンをつくらせたりすることで、補充することもできます。スペルミジンは、ポリアミンの中でも特に研究が進んでいます。近年、世界中で多く長寿化に関する研究成果が出てきており、注目が集まっているのです」

 

つまり、スペルミジン(ポリアミン)が減ると老化が進む、増えると老化が緩やかになるということ。人間の老化の根本には、スペルミジンが関わっているのである。

健康長寿で知られる人物の腸内を調べると、スペルミジンがたくさん見つかるケースが少なくない。

 

 

細胞がきれいになる

スペルミジンがすごいのは、先述したとおり、その効果が、ただ単純に寿命を延ばすことだけに留まらない点だ。

記憶力、学習能力を維持する効果、すなわち、認知症の予防も期待されている。認知症を患うことなく長生きできるという都合のいい話――いったいどんな仕組みなのか。

 

スペルミジンが認知症を予防するのには、いくつかの現象が関わっているが、近年注目を浴びているのは、大隅良典・東京工業大学栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞した際にも話題となったオートファジーだ。

白澤抗加齢医学研究所所長で医学博士の白澤卓二氏が解説する。

「オートファジーとは、シンプルに言うと、細胞の中の古くなった『ゴミ』を処理する働きのこと。これによって、細胞の中はきれいになり、細胞自体の寿命が延びると考えられています。

スペルミジンには、そのオートファジーを活性化する効果があるのです。

脳の神経細胞は、記憶や学習といった機能をつかさどっていますが、ここにゴミがたまれば、その機能は損なわれていきます。

逆に言えば、オートファジーによって脳の神経細胞をきれいにしておけば、認知症の予防になるということ。スペルミジンはオートファジーを促進することで認知症を予防しているのです」

記憶力、学習能力の維持に効果があるという実証研究の結果も出ている。前出の松本氏が続ける。

「私たちは、『サイエンティフィック・リポーツ』誌にこんな研究を報告しました。

まず高齢のマウス(人間で言えば50歳程度)を2つのグループに分けます。片方の集団のマウスには、腸内ポリアミンを増やす物質であるビフィズス菌とアルギニンを投与し、もう一方にはそれを与えない。

それを6ヵ月(人間では70歳程度まで)続け、その後、迷路を使った実験でマウスの学習・記憶力の差を調べると、前者のほうが、成績がいいことがわかったのです。まだ研究は必要ですが、個人的には、人間の認知症予防にも有効な可能性があると思います」

 

スペルミジンが人間の老化を防止するのに有する機能は、これだけではない。スペルミジンは、オートファジーとは別のメカニズムで、多くの人を悩ませる動脈硬化を防ぐ。鍵になるのは、スペルミジンの「炎症を抑える」働きだ。

動脈硬化は、血管の内側の傷ついた部分に白血球などがくっついて炎症を起こし、血管が硬くなったり狭くなったりする現象だ。血管が狭くなることで血圧は高くなり、ひどい場合には脳梗塞心筋梗塞にもつながる。

 

 

 

------------------------ contents ------------------------

序章

            あなたも107才へ        

第1章

         飢餓感が引き金    

第2章

          納豆が寿命を伸ばした

          アメリカの大学で20%

          マウスの実験で

 

第3章

LONLY PLANET&歩き方では行けない世界へようこそ!

         長寿レースに参戦しよう

第4章

         ブルーゾーンを見てみよう

            友人と生涯の冒険をともにすれば

            あなたの寿命に数年分を加えてくれる

第5章

          難病「紀州ALS」の謎を追って

  ミネラルが共通要件?不足すると難病「あしなえ」

            なぜ、グアムに、、。

            長寿遺伝子ハプロD4aはあなたのなかに

第6章

       世界最高齢スプリンターは日本人

第7章

         長野に引越したくなる!

  ------------------------ LIFETIME ------------------------

 

 

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