ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

長寿の惑星サーチュイン 100才が射程内に

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イタリアのサルデーニャ島バルバキア地方

 

 

 

長寿の惑星サーチュイン

寿命100才 センチュナリアンの世界

日本の長寿者はアジアの貧しい子どもを救える

100才が射程内になった

 

 

1日の摂取カロリーを70%に削減すれば平均寿命が男性でほぼ20才延びそうだ。この『長寿の惑星サーチュイン』は、断続的に連載しているのは、飛び回るような仕事をしている現役世代に不向きで、最初は気力と体力に大きな影響を及ぼした。わたしが自分で試したらそうなったのだ。いざというときに気力が湧いて来ない。踏ん張らなければならないときに体力が削がれる。続ければどうにかなるかも知れないが、わたしの仕事では不向きだったのだ。

だが、恐るべき研究結果が発表された。

 

2つの権威ある団体がこのサーチュイン遺伝子の研究結果をネーチャー・コミュニケーションズに発表した。米国ウィスコンシン大学と国立加齢研究所。人間に遺伝子が近い赤毛ザルを使って、1日に摂取するカロリーでどれほど寿命に影響が現われるかを研究していた。

しかし、ウィスコンシン大の20%の寿命の延びは、加齢研究所では現われなかった。そこで2団体は共同研究で、双方の研究方法を精査したのだ。実験方法はサルに好きなだけ食べさせるグループと、摂取カロリーを30%削減したグループに分けて、追跡調査した。

その結果、大学側はカロリー制限を7才から15才の大人になったサルに対して行っていたのに対し、研究所は1-23才と無作為だった。

そこで、1-14才、16-23才に分けて分析すると、1-14才では寿命は延びなかった。ところが16-23才では効果が現われ、特にオスのサルは平均して9才も延命し、約35才の寿命を獲得していたのだ。

これを人間にあてはめると、男性78才の平均寿命が20才増えることになり、平均寿命は100才を超えた。

恐るべき結果だった。

食事量ではなく、カロリーを削減すること。これが重要なのだ。

沖縄は世界で4つのブルーゾーンに数えられるほどの長寿県である。あったというのが正しい。研究では食べ物や生活習慣など様々な理由があげられたが、現在信じられているのは、粗食だったという理由。島の幅が極端に狭いことから台風の影響を受けやすく、塩害で食物がなぎ倒されるなども影響し、十分な栄養価のある食生活が長いあいだ摂れなかった。

それがマクドナルドなどフアーストフード店ができるにつれ、外食の機会が多い、男性の寿命が極端に落ちたことから、粗食=長寿説が裏づけられたのだ。

 

数式はこうだ。

赤毛ザルの平均寿命=26才

カロリーを30%削減すると平均寿命=35才

人間に換算すると、

日本人男性の平均寿命78才。

78才÷26才=3

35才×3=105才

ちなみに人間(ホモサピエンス)とチンパンジーの遺伝子の類似は99%。赤毛ザルはそれを少し下回るが、相当信頼性が高い。105才は数カ月までの月数、日数の数字がないので最大値になっているが100才は十分射程内にある。

だが、問題は多い。与えられた寿命にプラス27年。何に使うかである。

 

 

 

 

以下、前回までの抜粋

 

サーチュイン遺伝子で長寿を達成できるというのは本当だ。

現在、生体実験しているひとがまだ、存命なので、いつまで生きるかはわからない(笑)。しかし、強制的にカロリーを70%に削減された赤毛ザルとマウスの生態実験の結果はホンモノだった。

この連載を始めたとたん、北朝鮮の核ミサイル事件で切迫した危機的状況になり、一時中断した。

サーチュインとは、要約すると

1日に必要なカロリーを70%に抑えれば、眠っていた「長寿遺伝子」のスイッチが入ること。

古来から日本の健康法に「ハラ八分目」という教えがあったが、あながち外れていたわけではない。なぜ、70%に削減すればスイッチがonになるのか? 

いろんな説があるが、「食糧難を、長く生きる戦略に切り替えることで種を保存しようとした」というのが有力だ。これを裏づけるのが沖縄にいる100才を超えるひとたちの証言である。沖縄は世界に4つある長寿ディスとリクトの1つである。100才を超えるひとがざらにいるのだ。

その主因は、ここで採れる食料よりも、もっと、生きることの根幹に関ることだった。それは、満足な食生活が長い間できなかったことだった。

沖縄は、台風が襲来する台風銀座でいわれる。島の幅が狭いため、台風のたびに塩害で作物が枯れるのだ。日本の古代人に三川原人という身長150センチあまりの男性の人骨が発見され、それを詳しく調べた学者によると、「何度もの食糧難に遭遇しており、上半身が十分に発達していないのは、成長期に飢餓に何度もあいその影響である」と結論づけている。

 

話を現代へ進める。

つまり、「粗食=1日に必要なカロリーの70%を切る」がここのひとたちの長寿遺伝子を呼び覚ましたのだろうという説。沖縄は台風の通り道。南北は長いは横幅は狭い。台風の通過後には塩害で作物は死んでしまう。その間は漁に出れない。今の100才以上のひとが生きてきた時代と、2016年はまったく食料事情が異なる。満足するほどの量は食べれても、栄養は薄く、カロリーは決して摂れなかったのだ。豚肉などは年にほんの数回の祭りのときだけしか摂取できなかった。

 

 

数学の難問といわれるのは、21世紀に解決されるべきミレニアム問題として、選ばれた7つの問題がある。最近、解決されたのはケプラー予想、そして、ポアンカレ予想である。

ミレニアム問題のほかに21世紀内に解決すべき問題はほかにもある。それは純粋数学の問題ではないが、いくつかの学問にまたがる「人間は何歳まで生きれるか?」という極めて単純な問題だが、とても興味深い難題である。そして、最長不倒年齢が122才。フランス人女性で亡くなった。

 

現在の科学では、致命的な遺伝子欠陥がない場合で、あなたも、わたしも100歳までは生きれそうだ。

 

 

素数ノ謎 第Ⅱ部 宇宙の暗号を連載中に、EUの問題に深入りしすぎ、またしても日本のテレビに出演。しかし、その日、日本に帰国したばかりなのに、自分の体で長寿遺伝子を覚醒させる実験を行い、ふらふら。散々な一日でした。ニュースの本質と裏側を伝えるのはNGOジャーナリストでしかできないので、3つテーマを追っていながらでも、緊急のニュースを流します。新聞もテレビも見ない世代のひとのために。

世界でもっとも困難な難問に挑み続け、それがドキュメンタリー「素数ノ謎 解明への大航海」という本になりました。第2部(完結篇)は12月に発刊予定。

 

 

 

 

サーチュイン2

イタリアのサルデーニャ島バルバキア地方、日本の沖縄、アメリカのカリフォルニア州ロマリンダ、中米はコスタリカのニコヤ半島、ギリシャのイカリア島…。これが世界的に知られる長寿ディストリクト。

 

これ以外にも探せば、いくらでもある。そのひとつ「フンザ」は中国とパキスタンを結ぶカラコルムハイウェーの中継点に過ぎない。なぜ、ここのひとが長寿なのかはわからない。

カラコルムハイウェーといっても車の高速道路ではなく、その昔、求道者が修行を積むためラサなど聖地をめざす旅をした宿場街みたいだ。

フンザへ行くには、イスラマバード ギルギットと走らなければならない。フンザにはフンザ川が流れる。

世界の尾根ヒマラヤ、カラコルム、ヒンズークシ山脈を縫うように右往左往する山岳道路。

フンザは標高2500mの高地にあり、イスラム教徒のイスマイリー派とされ、独特の言語ブルジャスキーを話す。すでにおわかりだと思うが、道路は頻繁に土砂崩れする。そのため、このフンザは世界と隔絶されるのだ。

アプリコット、林檎、桑の実が豊富だ。秋になると銀杏が絨毯のように里をおおう。

 

 

 

 

身体に力が入らない。いつもなら、ほとんど間違えずに最初から最後まで話通すことができる。いわば、ゾーンに入るように、しゃべれるのに、うまくは話せなかった。

原因はわたしが自分の身体を使って「生体実験」をやっていたからだ。長寿遺伝子サーチュインのスイッチをONにするため、大量のカロチンと、いつもの60%しかカロリーを摂取していなかったのだ。

確かにスイッチは入ったように思う。朝、鏡に写った自分の顔を見て驚いた。肌がすべすべになり明らかに若返っている(ウソ)。しかし、身体は不安定だ。それは何か危機が迫ってきたかのように、いつもの自分ではない。パフォーマンスとしては60-70%の力しか発揮できない。

 

つまり、サーチュインをやっているといざというときに、ここ一番の集中力、肉体と精神の強靭なバネが使えないことがわかった。

これは恐ろしいことだ。こんな状態で警察官が交通整理したり、裁判官や新聞記者が調査を怠ったり60-70%の能力で仕事を終えられたらたまらない。何よりも医者と看護師が怖い。

お願いだから勤務中はやめてほしい。習慣として、自分のパフォーマンスを熟知するまではビジネスデーには無理。これはあくまでもひとによると思うので工夫次第。

 

長寿の世界的な雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」。ここにたまにすごい記事が掲載される。世界の長寿国を取材して歩いたライターの紀行文だが、このなかにイタリアのワインの産地の話が出て来る。

彼が取材した男はイタリアのイカリア島のスタマティス・モライティスさん100才。

「わたしはニューヨークで働き、60代のとき肺ガンだと宣告されたんですよ。余命は1年未満。それで懐かしい故郷イタリアに帰ったんです。葡萄畑で収穫したブドウでワインを醸造している家で、みんなに無料でふるまっていますよ。昔の仲間たちに囲まれて幸せですね」。

 

ポリフェノールの含有量が高い葡萄の赤ワイン、②適度な労働(運動)、③仲間に囲まれて幸せな暮らし ④無料で振舞い社会に奉仕している

 

分析するとこんな風になるが、それだけではない。彼は医者から死を宣告されていたのだ。それで彼はニューヨークへ行き医者にガンがどうなったのか、診てもらおうとして病院を訪ねた。

そしたら医者の方が亡くなっていたのだ。

 

ナショナル・ジオグラフィックの取材は徹底してウラづけをとる。毎月、記事が世界中にでるわけだが、アメリカではちょってした表現の食い違いや齟齬で、訴訟に発展する。そこで、外部ライターに記事を依頼するとき、ガイド兼リサーチャーでしかもサブ編集者の役割をもったスタッフが現地に同行する場合もある。大概は現地のひとを採用する。

これにはすばらしい給料がでる。なぜならガイドなのに記者が書いた記事の裏づけをとってとって取り捲らなければならない(笑)。

その老人はほんとうにそう言ったのか? 「顔に赤い斑点がある」とあるが、本人はこの表現を承諾するのか? 98才とあるが来月はまだ生きているのか? アンダーラインがいっぱいの記事のチェックリストが送られてくる。それだから記事の精度が高く信頼されるわけだ。

 

 

長寿ではないが、日本に88歳で現役のライフセーバーとして活躍するひとがいる。現場は新潟県の海岸。海水浴場がオープンする夏の間、ライフセーバーとして活躍する。NPO法人ライフセーバー協会の免許を取得し、体力維持に年間を通じて、トレーニングを続ける。バイク(自転車)10キロ、冬の雪の日でも6キロは欠かさない。ランニング3キロ。そして、夏場は水泳が入る。

このひとは現役で、おぼれたひとを見つければほんとうに海へ飛び込む。息継ぎなしで30メートルは行ける。監視だけではないところがすごい。

そのためには毎日の食事の栄養にも気をつかっている。豆、ゴマ、ワカメ、野菜、魚、椎茸、イモと7種をまんべんなく摂ることを心がけている。

このひとのケースは、①運動 ②まんべんない栄養補給 ③使命-であろうか。

 

 

2粒のダイヤモンド 生命のリレー

 

ここでわたしは閃いた。サーチュインで100才をめざすひとには、必ず生きがいが必要だ。社会的使命といってもいい。わたしはこのことに気づいて、仲間を募ろうと思う。つまり、長寿者はアジアの貧しい子どもを救う仕組みをつくろう。

長生きすれば、ネパール、カンボジア、フィリピン、スリランカの子どもたちが学校で学ぶことができて、日本の老人が命をリレーする仕組みができないかと、、、。

つまり、1年生きるごとに1万2000円を学資にして贈り、アジアの貧しい子どもひとりが学校へ通えるようにするのだ。長生きすることはひとを幸せにする。それには仕組みを作らなければならない。この物語を『北欧猫TRONDの冒険』という絵本しようと計画している。

 

 

 

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