ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

北朝鮮の核ミサイル搭載原子力潜水艦 ナッシュのゲーム理論で読み解く  

日本急襲 時間が経つと不利になる日本

 

ナッシュのゲーム理論で読み解く

北朝鮮・中国は互いに連携している」l。l

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 北朝鮮の核搭載ミサイル開発が危険水域に達した。既報のとうり、旧ソ連邦の原子力潜水艦の技術を獲得し北朝鮮は、核兵器で日本の全都市を攻撃可能になる。

北朝鮮の仮想敵国は韓国、日本、アメリカである。このアメリカの核の傘に入る日本、韓国が最も危険な状況に陥っている。

実は北朝鮮を攻撃する国は世界にどこにも存在しない。金正雲が自らの独裁体制を維持するためだけに、緊張関係をつくりだしているのだから。つまり、本質的には数学者アラン・チューリングの半生を描いた映画「イミテーション・ゲーム」である。だが、核は実在しており、そのボタンには指は乗っている。

 

北朝鮮は韓国とロシア、中国と国境を接しており、日本とは日本海を挟んで対峙する。戦争に入るという緊張状態で現体制を守ることに汲々としている。

 

現在に置かれた状況をジョン・ナッシュ博士の「ゲーム理論」戦争版で紐解いてみたい。

 

ゲーム理論は経済学、自然科学から戦争戦術理論までに応用される数学理論で、ナッシュ博士にノーベル賞をもたらした応用範囲が極めてひろい戦術組み立て理論である。

実は日本が第二次世界大戦で比較的、簡単に連合国に負けたのは、暗号理論、ゲーム理論の2つの数学分野で決定的に西側に遅れていたからだ。日本軍はこの理論にまったく学習してないことはゲーム理論を扱った軍事教科書に掲載されている。

 

 

 

北の核問題の登場メンバー

北朝鮮、韓国、日本、アメリカ、中国、ロシア。この6カ国は、現在の緊張関係から、それぞれが最大の利益を得たいところからこのゲームはスタートする。

ゴールはそれぞれ異なる。北朝鮮は核の脅威を武器に経済援助を勝ち取りたい。自国民に北が偉大な指導者により、勝利を勝ち取ったことを世界に知らせたい。日本、韓国、米国は核施設を廃棄させたい。経済援助はするが強請体質を見直すこと。日本に至っては、現状は防衛すら放棄している。

 

 

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北朝鮮 金正恩は独裁体制を維持したい。経済援助を勝ち取る

韓国  予測不能な戦略をとる金正雲を排除したい

日本  戦争に巻き込まれたくない。最初に北の核の被害に

米国  イージス武器システムをすり抜ける核潜水艦に神経

中国  この状況を利用した、尖閣諸島など海洋で実行支配へ

ロシア 軍事兵器の大口購入先である北を支持 武器技術供給

 

互いに利害が異なっており、日本はオリンピックどころではないことはない。ここからすぐにしなければならないことがひとつだけある。できることは損害を最小限にすること。

 

それは日本国内にある原子力発電所の稼動停止である。福島でもう日本人は全員懲りているのに、なぜかまた稼動させたい愚かなひとがいる。電力コストは死ぬほど安い水準で将来的にもっと下がる。本当だ。別記事参照(シェールガス革命の記事参照)

 

 

 

先攻は北朝鮮

◇韓国を実攻支配したい。米軍がすぐ背後に控えているのでできない。核の威力を見せつけ有利な状況で経済援助など交渉の舞台に米国を引き出したい。

しかし、それは金正恩体制が崩壊する危機を免れるための緊張関係の演出であり、そもそも、あるのは正恩の父親金正日体制で連れ去った日本、韓国人の返還問題だけ。それ以外は何もない。

本質は金正恩の独裁体制の引き締めのために絶えず日本、韓国、アメリカを挑発し続けなければならない政権構造にある。

 

ゲーム戦術には、純粋戦術一本槍では勝てないことが証明されている。そこで、相手に手のうちを読まれないために混合戦略を採る。つまり、ポーカーでいうブラフ(はったり)も必要となる。戦術を読まれることがもっとも愚かなこと。

金正恩の「予測できない攻撃的な性格」というのは、そうしなければ、無視され続けるからだ。だから、何度かに1回は、緊張を極度に高めるすれすれの攻撃を織り交ぜている。

金正日死後、最初に韓国の静かな孤島を突然、攻撃開始したのもその戦術の一環である。島民は平和な島が総攻撃されて、平和ボケから目が覚めたという。韓国はもっと緊張感をもっているのは「シルミド」という韓国映画を観るとわかる。これは韓国船級協会の当時の東京事務所代表が薦めてくれたものだ。

 

 

◇日本、韓国の立場

日本、韓国は国の指導者として金正恩の統治体制を疑問視しており、特に韓国は「予測不能な金正雲の性格から、いつかは示威行動を超える攻撃にでる」可能性を危惧している。

日本海と本州を超える弾道でミサイルを発射するが、計算どうりにはいかず、本州を攻撃したあとに、「あれは事故だ」と中国側割って入る策略を打ってくる。攻撃後に中国が仲介役のふりをして、最大の利益を獲得する。日本は攻撃され損になる。

つまり、韓国では戦火は開かず、日本に被害がでる可能性が極めて高い。

理由は簡単だ。安部首相が「不戦の誓い」を行っていることを愚かに奥さんが、世界に公表してくれるほど平和ボケしているからだ。「攻撃してください」と言っている。

国民はすでに日本の首相になる人間は戦争回避能力をもつひとしか選ばない。それをわざわざ、首相の心のうちを主婦が語りだし、手のうちを見せるのはあまりに愚かだ。

反撃しない。反撃するとしても3クッションぐらいはあるので、攻撃しやすい日本に照準が絞られる。その間に和平工作を進めれば、平壌は反撃されないかも知れない。中国が楯に入ればその通りになる。

 

◇中国の立場

動かなくて静観するのが一番。アメリカがこの問題に神経を使っているときに尖閣南沙諸島の海域を支配にでたい。日本がもう一度、東日本大震災の被害を受けることは利益にかなう。東光ようかい(機会を待って力を蓄え、勝てるときに勝負にでる)を胸に秘め、ことあるごとに海洋を実行支配を進める。中国国内の経済停滞を海洋資源開発と漁獲資源で補わないと、13億人を養えない。2049年までに世界の覇権を獲得する。それ以外のことは考えていない。

 

◇ロシアの立場

西側の経済封鎖がボディーブローのように効いて、ロシア国内の経済は悪化の一路を辿っている。こんな時期に武器購入先であり手なずけた北朝鮮は、自国ロシアの利益をもたらすチャンス。それより、ウクライナ情勢の方が優先である。そして、シベリアの資源開発を進めたい。そのためにはウラジオストクカムチャッカの人口減少に歯止めをかけたい。

 

 

日本が、この北朝鮮の戦争ゲームを阻止するのは、ロシアか中国のいずれかを味方につけることである。だが、良く見ていればわかるが、この2つの大国は静観するのが一番の得策で、利益を最大にできることを知っている。

だが、どちらかに働きかけるとするならば、、、。

 

 

正解はロシアである。実は中国の現体制の12人の共産中央委員会メンバーは、現体制維持のために、北と同じように仮想的国ゲームを進めている。このため、北朝鮮の危機を排除できたあとに、もっとやっかいな中国の挑発が今後も50年は続くだろう。本当だ。(別記事)

 

ではどんな戦術をとるべきか?

ロシアと極東開発について米国、韓国、日本の3国でカムチャッカウラジオストクに今年、プーチン大統領が設置した自由港、経済特区に3国合同の投資プログラムを置く。米日韓の3国合同で足並みを揃えたコンソーシアムでなければ意味がない。

これまで、サハリン沖などアメリカが独自に、ウラジオでは日本と韓国が個別行ってきたが、互いに国境を接している(実はカムチャッカの対岸はアラスカである)このラストフロンティアは、EUが抱える難民問題を解決できる奇策になりそうだ。奇策とは奇抜だが実行できる平和的解決策である。ロシアは何も政治犯や囚人にこのシベリア開発に送り込まなくても、道は拓けるかも知れない。ロシアのウラジミール・ポーチン大統領が旧ソ連邦の原子力潜水艦と核開発技術者を平壌から引き返すように仕向ければ、危機は少し遠ざかる。

 

 つまり、3対3ではなく、2対5へ持ち込むのが日本がとるべき戦術になる。2対5の5は米、日、韓、ロシア、EUである。

日本は米国、韓国、ロシア、そこからEUへと繋げれば、相手の情報をもとに、先制攻撃できるようになる。だが今の、日本の外務省にその情報を集める能力はない。以前、わたしはそこに取材に入っていたし、防衛庁の本部でトップにインタビューしたこともある。

 

 すでにIS(イスラム国)の攻撃を逃れた難民救済に日本は3年間で巨額の資金提供を発表したばかり。さらに、核攻撃回避のためにロシアへの出費は気が重くなる。できることは、日本国内の原子力発電所の稼動を止めるだけ。被害を最小限にすることだ。

それ以外に最適な戦術は存在しない。安部首相の奥様に期待したいのは日本の首相官邸の情報を世界に暴露することではなく、原発の停止を呼びかけることです。国民の不安を拭いたいという気持ちはわかるが、首相の考えを公にするのは本人が報道官の仕事。時期があまりに悪すぎる。

かなり、大きな地震が世界規模で2カ月おきに起きている。頻発している。イタリアの地震は規模が小さかったが、それ以外は100人規模の死者がでている。南海・東南海地震が早まるかも知れない。こんな情勢で誰が四国の原発を動かしたいのだろう?

 

ドイツからの警告

ドイツから警告が届いた。それはEUの難民政策に巨額な援助を申し出たお礼だ。それによると、オリンピック開催時前後に、中国と北朝鮮の挑発的な攻勢が繰り返し行われ、常套手段になると。日常的に行われる。わたしはもっと早い時期に起こると見ている。米国の大統領選前に、北朝鮮は一段と核ミサイルと原子力潜水艦による挑発を加速させる。そして揺さぶるように中国は実行支配海域の拡大を図る。

 

これですべての謎が解けると思う。この2国は互いをチェスのコマのように使っている。つまり、北朝鮮と中国にとっては米国大統領選挙、決戦時にもっとも苛烈な攻勢を仕掛けてくる可能性が高いのだ。そして、最悪のシナリオではわれわれは4度目の被爆国になる。

平壌と北京は直通の鉄道ダイヤが存在する。この2都市の距離は西側からみるよりも、もっと近いのだ。すぐ目と鼻の先。平壌への核攻撃は、北京が楯になる。

 

 

われわれができることは、①国内の原発の停止 ②首相官邸の情報収集能力の改善 ③2国の攻勢を前もって自国で分析できるようにする(外務省の現地駐在員と組織レベルを引き上げる) ④被爆を想定した首都機能の移転先の決定 ⑤それ以上は公にできない。

 

 

この記事はドキュメンタリー「素数の戦術理論-素数解明への大航海第2部」のオリジナル原稿です。中国は最近まで、友だちの国で、お互いに尊敬の念をもって接してきましたが、江沢民習近平体制へとバトンが継承され、日本を敵国視する宣伝を続け、急速に関係が悪化しています。

日本の沿岸警備隊に相当する海上保安庁が、以前、日本海北朝鮮哨戒艇(12メートル)と海上で戦火を開いたとき、戦力で圧倒的な優位な日本が、信じられないほど無様な防戦ぶりだったことを平和なときだったので新聞記者は報じなかった事実があります。

この問題は、放っておけば放っておくほど、時間経過とともに、日本は不利になり、被爆する可能性が高くなるゲームです。

 これは架空の問題ではなく、北の立場にたった場合の戦術は

①標的に日本を選択する

②北京には前もって(演習という名目の)攻撃を予告 

③米国に反撃される前に中国が楯に入る 

④米国大統領選挙(ポリス不在時)に攻撃にでる。もちろん副大統領に核ボタンは渡されるが、経験値で決断は優柔不断になる時期を急襲する。

 

9月1日の段階では以上のような分析に落ち着く。そして、米国が反撃にでた場合、中国が戦争仲裁に入り、結果はどちらに転んでも、「中国は戦争を仲裁できる国」のイメージを世界に与えることができる。

 

 

 

参考文献 ゲーム理論 ジョン・ナッシュ、世界で最も美しい理論 ゲーム理論ほか

 

用語解説

イージス武器システム

 イージスとはギリシャ語の楯のこと。ミサイルを空襲で撃墜するレーダーと迎撃ミサイルの複合システムを護衛艦に搭載。日本はすでにイージス武器システムを搭載した護衛艦(日本の名山の名称を使用)を日本海側に配備している。

 

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

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