ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

EU 英離脱でドミノは倒れる? コックス議員は”ジャンヌ・ダルクに”

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EU 英離脱でドミノは倒れる? 

コックス議員は”ジャンヌ・ダルクに”

 

 イギリスのEU離脱を問う国民投票日(23日)を控え世界が揺れている。揺らしているのは投機マネーと、もっと重い人命=アフリカ、中東難民のヨーロッパ移住への流れだ。

 この流れを阻止しようと、イギリス中部のウエストヨークシャー州で労働党(最大野党)のジョー・コックス下院議員(41才)が銃撃され死亡した。犯人は52才の地元男性。目撃者の証言によると、銃撃時に犯人は「ブリテン・ファースト」と叫んだという。同名の政党がイギリスに存在するが、同党は自らの「党とは関係ない」と声明を発表した。

コックス下院議員は対話集会の準備をしていたところを狙われたもので、彼女はNGOの人権擁護団体の元職員。議員になってまだ1期だった。コックスさんはアフリカ・中東難民の救済を支持して23日の国民投票ではEU残留を支持していた。

 

ジョー・コックスはジャンヌ・ダルクに成るのか?

 

今、われわれは流れの分岐点にいる。歴史が動こうとしている。イギリスの国民投票のあと、フランス大統領も2017年夏に控える。オルランド大統領の支持率はフランス国内の失業率の増加にともない下降し、国民戦線のルペン党首は反EUと反難民を掲げ支持を増やしているのだ。17年秋にはドイツでも総選挙を控え、メルケル首相の再選を阻むのはAFDである。スペインでも反EUが台頭しはじめた。

 

コックス女性議員の死は、反EUへと傾斜した流れを少しだけ、EU残留へと戻しつつある。EU(欧州連合)はアメリカと比肩する経済圏で、欧州の各国が理想と理念で結ばれた共同体である。たとえ、イギリスが離脱しようが、EUは今後も理想と理念を堅持すれば未来がある。東欧諸国にバルト3国が加わった。それは、世界がEUを強く支持しているからだ。

イギリスの金融センターの機能をフランクフルトに動かせばそれで終わりだ。苦しむのは逆にGDP(国民総生産)の10%を失う”グレートブリテン”である。

そして、もっと大切なのは、こうした流れを引起したアフリカ・中東難民の急増の流れの整理である。特に東西アフリカから、貧困に端を発した内戦と永続的な不況から欧州行きを夢見る層があとを絶たないこと。決まった数の難民受け入れならハンガリーの首相も受け入れると語ったが、「EUの決めることは理想論であって現実的ではない。逆に、難民を助長するようなものだ」と批判する。

国際NGOは、こうした地中海を渡ろうとする難民の悲劇を伝える映像を何本か制作し、旅立ちを思いとどまらせたいと考える。しかし、その実情は言葉の壁、そして、そうしたものに触れることがない貧困層が”死の旅立ち”に向かうのだ。

水際で問題を食い止めることはできない。旅立ちを準備する前に、渡航と欧州での現実を伝え、思いとどまるよう説得するしかない。だが、これでさえ理想論だといわれる。イスラムへの改宗を迫られ殺害される恐れが迫る中東の人びと、さらに内戦の激化で働くこともできず、日々の食事さえままならない多くの最貧国。とどまれば”死”がそこに迫っているのだから、旅立たざるを得ないのだ。

フランス語、スペイン語、英語、ポルトガル語も何も聞き取れないアフリカのひとにどうやって伝えればいいのか? 

この難民の物語は、6万年前に”死のアフリカ脱出”を果たした人類の起源(人類絶滅境界線上のアリア)、あの問題とほとんど何も変わっていない。そして、受け入れようとする側も、実は自分たちは先に脱出に成功したグループの生き残りで、リーダーはそれを知っている。しかし、グループの末端は、後続グループを殺して排斥したいと考えていることだ。

救助隊とは、救助できるひととそうでないひとをわけ距てたりしない。しかし、助けられる限界はわかっている。人数もわかっている。それをEU各国が自国で決め、うまく最初に動きだせば今後も回転する。欧州連合も人命が関っているので性急に動いて、判断を下さねばならない。しかし、結束が失われると損失があまりの大きすぎる。

 

イギリス、ブリテン島のひとたち。ジョー・コックスさんの死をもう一度、考えてみる必要があるのではないだろうか。

あなたの国がEU内でリーダーシップを発揮できるようにすればいいだけではないか。

 

ホーチミンより

 

だが、問題は地球で起こっていることで当事者から遠く離れた極東(なぜなら、彼らの地図は大西洋を中心に描かれている)で生きる日本は、もっと排他的な国である。ベトナムサイゴンが陥落する前から、ボートピープルとなってベトナムから難民が日本海を沿って、横浜へ辿りついた。多くはフィリピンへ行ったのだ。そこから、一部はカナダのケベック州へ行き、ひとつのべトナムの街が誕生し彼らは貧困から解き放たれ幸せに暮らす姿をわたしは見ている。カソリック協会に彼らは毎日曜日に集り、賛美歌を歌っている。

日本は何もできずにいたのだ。実は日本人とベトナム人は深い血縁がある。キン族などは中国の漢民族に終われ南下して今のベトナムにとどまっている。どうやら彼らと日本人は身体的特徴が同じで小さい[倭族]に属している。

サイゴン陥落を逃れたベトナム人のひとりはアメリカで歌手として成功したチン・コン・ソンは、祖国へ迎えられ、最優秀芸術家賞を受賞。圧政下では思想改造キャンプに収容された。今、ホーチミン市(旧サイゴン)で有名レストラン「チン」を開いて文化人が集っている。経営者は彼の姉妹。そこに関る日本人はいない。美しい川沿いのレストランでそこから見える夕日がすばらしい。

何かしたいと思う日本人は多いはず。炎熱のコンテナに30人ものベトナムのひとが折り重なって死んでいるのを目撃しても動かなかった日本政府と日本人。それは52才の銃をもったイギリス人と変わりなかったのではないだろうか?

どこを見回しても、アジアを救う隊を派遣できるのはわれわれしかいない。隣国の韓国ですら北の難民を受け入れる。韓国は日本の関西しかない経済規模なのに、日本は何をしているのか、世界はいぶかる。政府は経済援助(カネだけ拠出する)。それでは解決プログラムは動かない。役人では考え付かないことができるからNGO組織が生まれた。役人とNGOはタッグを組まなければ機能しない。

阿部首相が救援の金額を発表しても世界の誰も何も感じない。

言い方を間違えている。民間人の支援部隊を派遣したいと言えば、はじめて事の重要性が世界に理解されるのだ。

 

夫のコメント

今日、私たちの人生は新しい章が始まります。以前より困難で、つらく、喜びや愛にあふれる日々は少なくなります。私やジョーの友人、家族は、子供たちを愛するため、養うため、そしてジョーを死に追いやった憎悪と闘うために、どんな時も働きます。

ジョーはより良い世界を信じ、そのために毎日精力的に闘い、強い熱意を持って人々を疲弊させる生活を改善するために闘っていました。

妻は、今起きていることに対して特に2つのことを望んでいるでしょう。1つ目は、私たちの大切な子供たちがあふれる愛に包まれていること、そして2つ目は、妻を殺した憎悪に対して私たち全員が団結して闘うことです。憎悪には信念、人種や信仰心はなく、毒があるのみです。

ジョーは、自分の人生に何一つ後悔してないでしょう。毎日全力で生きていましたから。

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17日早朝、ブレンダンさんは妻の写真をTwitterに投稿した。

 

 

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