ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

魔法で消えた400台のオレンジ自転車とリトアニアの市長

リトアニアの市長、違法駐車にブチ切れ自ら装甲車で実力行使

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リトアニア(バルト3国の一番下の国)

魔法で消えた400台のオレンジ自転車

 

エストニアラトビアという国の情報は、ウクライナスウェーデンでも聞けるので、今回はバルト3国の一番下の国ラトビアから書こうと思う。

エストニアラトビアから下ってこの国に入ると赴きが違う。首都ビリニュスの建物はさまざまな時代の建築様式の建物が残っている。重厚感がある宗教的なものから、旧ソ連邦の面影の建物が残っている。印象としてはプラハの田舎のイメージ。外は雨である。ぬれそぼる路面。車があまり走っていない広い道路。

ここは世界一、自殺率が高くギネスブックにのってしまった。交通事故より自殺者の方が多い。それも30-50才の男性。1991年9月、バルト三国旧ソ連邦からの独立を果たした。独立後の3国は歴史的な成り立ちにより、今もロシアより、EUに向いている。

ここの市長は、斬新な市活性化のプリグラムを打ち出した。市民に400台のオレンジ色の無料自転車をプレゼントしたのだ。朝5時から夜の10時まで市民はその自転車を使って通勤したり、買い物にでかけたり、街の活性化になると思われ、地元のメディアに華々しく取り上げられた。

ところが、一ヶ月もたたないうちに台数が減りだし、3カ月を過ぎたころにはほとんど見られなくなってしまった。ビリニュスの街からオレンジの自転車が消えたのだった。

いったいどんな魔法がかけられたのか、市職員を新聞記者らが問いただしたところ「399台は盗難にあい、転売されたらしい」という。無理もない。この国のひとたちは働きたくても働き口がないのだ。それで手っ取り早く、オレンジをうっぱらってカネの換えてしまったのだ。

今も最後の1台は残されているはずだ。(この記事がでるころにはどうなっているかはわからない、、)

 

この国の観光資源についてふれておこう

ジェノサイド犠牲者博物館である。ゲディミノ大通りに面した建物で、時間があるひとにお勧めしたい。この国が歩んだ苦難の道のりをそのまま著わしている。

1899年に帝政ロシアの支配下でビレニュス政府の行政府として建てられた。1920年からはポーランド軍司令が置かれ、1941年からはドイツ秘密警察ゲシュタポの本部が置かれた。1944年からはドイツを追い出したロシアがKGBの捕虜収容所として使っていたのだ。

今、見ることができるのはその拷問部屋である。大きな部屋の真ん中に水盤があり、中央の円には水がはってある。囚人はパンツ1枚にされはだしで水盤に立たされるが、水はあまりに冷たいので、ふちの台に立つことになる。眠気に襲われ、水のなかに堕ちて、また、台に立つが、またしても水盤に堕ちるのだった。

その隣の部屋は、一日にパン300グラム、湯500ml、睡眠は5時間、だけを与えられ7日間過ごす。

その隣の部屋は、拘束着を着せられ、腕を背後に固められて座る。そして、腕を両方からひっぱられて、苦痛から呻き声が道路まで響いたといわれる。肩の骨がはずれたまま放置された。

その奥の部屋は死体置き場で、通りを歩くひとに死体が見えるようにされていたのだった。

そして、もうひとつは市街地からはずれた田舎に忽然とあらわれる(バスが止まり降ろされるがそれしかない)十字架の丘

観光名所が捕虜や囚人の拷問と十字架では、とても、また、訪れたいと願うひとはいないだろう。しかし、ここのひとたちは暖かい心の持ち主である。それこそが最大の観光資源なのだ。市長は盗まれても、また、オレンジの自転車を市民に与えたいと願っているのだ。

そうそう、隣国との国境がポーランドとかろうじてつながっている。それは、ロシアの飛び地カリーニングラードが挟まっているが、ここは親日ポーランドからバルト3国を駆け上がり、そして北欧へと抜けるルートはお勧めできる。

バルト3国とポーランドは特別に日本人を思ってくれているようなのだ。どうしてかはわからない。それは金持ち=日本人というのもあるが、それより、もっと深いところで過去に日本人たちが行った人道にかかわる「篤行」(とくこう)が関係しているらしい。

日本人と中国人の違いについて、あなたは海外に行けば必ず聞かれることになる。(聞かれない人は英語をしゃべれないからかも知れない。そのときまでにあなたは日本人と中国人の違いをはっきり言えなければ、相手をがっかりさせることになるだろう)。

思いやり、不言実行、救済、徳、篤行を積むこと、気品、なんでもいい。今の中国人にないそれらすべてが、東欧のひとたちに日本人を眩しく感じさせるのではないだろうか?

小さな国なのでひとりの人間が才能をもって向かえばかなり影響を残すことができるかも知れない。一番はなにか技術をもったひとで起業できるひとだ。

すでにベトナム、タイ、インドネシアなどは発展しており、日本の田舎よりも進んでいる。ここに政府開発援助やNGOを送り込むより、バルト3国の方が今は求められている。

 

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