ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

日本政府 恐るべき債務残高の世界へ 消費税率14% 年金支給は70才から

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消費税率14% 年金支給は70才から

日本政府 恐るべき債務残高の世界へ

企業年金や農協預金を国はなぜ使いたい?

PIIGS から透けて見えた世界

 

 

 

日本政府の見積もりによると、熊本地震による財政支出は2兆4000億円から4兆6000億円になる見通しだ。日本の債務残高はうなぎのぼりに増加している。前回、記した年金積立金管理運用独立行政法人の7-9月期の赤字7兆8900億円、10-12月期赤字5兆円超とあわせて、消費税率アップでは現行の8%を14%にしなければならない計算になってしまう。消費税を2%上昇させると年間で約6兆円の税収が見込める試算があり、それを単純に上乗せした。これには落とし穴があり、消費は増税につれ下降曲線を描き、増税が景気を後退させ本来の効果を失ってしまう。つまり、放物線を描いて下降する。

 

この先にあるのは、ギリシャや、財政破綻の町「夕張市」のような主権の一部をIMFやEU、国に明け渡す、長く未来がない20年、場合によっては30年たっても元に戻れない負のサイクルに落ち込む。

それを辿ったポルトガルのケース。

2010年、ギリシャ財政破綻が決定的になったころEUの周辺国でも同じような巨額債務に苦しむ国が次々と表面化してきた。これらの国は頭文字ととってPIIGSと呼ばれる。スペイン、イタリア、ギリシャアイルランド、そして、ポルトガル

ポルトガルは1974年にアントニオ・サラザール独裁制から民主制へと移行したが、2011年春にはその主権の一部をIMFとEUに委ねなければ、国がどうにも立ちゆかなくなった。

首が回らなくなったのだ。

原因はユーロ加盟によるファンド「結束基金」を惜しみなく無駄ずかいしたことによる。農業、漁業など第一次産業以外にこれといった産業のなかったポルトガルは、インフラ整備の第一歩に高速道路網の整備にこのファンド資金を使いまくった。

その高速道路は無料なうえに、どこにも通じてない必要がないものだった。インフラ整備はてっとりばやい雇用を生み、そして景気刺激策として、最初に考えつく愚策だが、この罠にはまった。道路網と鉄道網の整備は企業誘致に役立つ絵に描いた構想で、企業誘致を目論んでいた。さしたる効果がなかった。

進出の決め手は安い労働力確保だが、ユーロ圏入りをめざす東欧諸国が加わり、ポルトガルも十分に安いが、東欧はもっと安かった。進出した大手はフォルクスワーゲンぐらいだった。

小泉信一郎が農協の銀行に資金を農協管理ではなく、日本政府の管理下に置くようにと説得して回っていた。一見、国家の大事に代議士が動いているように見えるが、国はこのほかにもおかしな動きをはじめていた。日本のあらゆる産業団体の厚生年金基金資金を国庫に返納させる法案をつくって、その資金をすべて国が管理できるようにする。東京都報道事業年金基金もそのひとつで、すでに返納のスケジュールまで決まった。この合計資産はまたしても、同じように消えそうだ。

どう考えても、これまでの経緯で、国の政策を信頼できず、複数の民間機関に預け、万一のために資産を分散させていた、国民の金を国が自由に使えるような仕組みを作っている。

信頼できる実績がある政権なら、国民は文句を言わない。だが、誰が天下りの無能者のために自分の資産や老後の年金を渡すのだろう。際立った能力でなくていい。監視しているだけで、十分なのに、しない。できない。できないなら、仕組みを変える。それでも出来ないなら、できるひとにバトンを渡す。これが世間だ。

農協の銀行が抵抗するのはもっともである。危なくて渡せない、取り付け騒ぎになりかねないだ。

まず、阿部政権はしなければならないことを「棚上げ」しているから、打ち出した政策が不信感を煽っている事実に気づいてほしい。

それが公務員天国と呼ばれ、代議士たちの楽園と言われる。日本になかに別の感覚をもった人間たちだけが住みやすい、都合のいい世界を次々と生んでいる。

IMFは破綻国家のパターンをいやというほど見て、それに苦しみもがく、新しい政権を見てきた。日本のアナリストが経験したことのない修羅場をみなくぐっている。そして、その国と国民の痛みや苦しみをみてきた。だからIMFは警告を発したのだ。

 

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さらに、財政破綻したユーロ圏のPIIGSの例を見てみよう。

 

 

素数ノ謎 解明への大航海: 宇宙の暗号 (NGO japan cyber library)

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