ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

MOSCOW発のローカルニュース それを信じてしまった日本の役人たち

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ガーデン環状道路からやや離れたところにある16階建てビルの最上階にウォール・ストリート・ジャナールのモスクワ支局がある。目印はスターリンが建てたユニークな摩天楼のすぐ近くだ。所有者は外務省で、このビルはロシア全土に10000棟も存在する規格品だった。このデザインのビルはカムチャッカからウラジオストクなどほぼロシア全土にある。だが、この界隈だけは不動産が高く、東京並みの賃貸料である。

わたしはこの時期、複数のこうした出先のストリンガーをしており、身分は旅行者であったり、学会への出席、カメラマンだったり、大学の研究者、ライター、いろいろ使いわけていた。だが、ジャーナルの仕事はとれなかった。ここではロシア語が話せないことには生の情報、つまり、第一情報が拾えない。ここはモスクワのまさにウォール街なのだ。オネグジム銀行、アルファ銀行、メナテプ銀行、ルネッサンス・キャピタルを一望に眺めることができる。

なぜ、こんなところにジャーナリストの拠点があるのかは、「危ないところは”外国人監視地区”に閉じ込めておけ、盗聴も監視もしやすいからさ」というジョークを聞かされた。笑えるパーセントはかなり低い、、。なぜなら複数の西側のテレビや新聞社も入居しており、怪しい貿易会社や、どこにあるかわからない国の外交官たちが住宅がわりに入居している。

 

わたしはここからウクライナに向けて動いた。

キエフ。世界でも有数の美人産地国といて知られる。しかし、それは本当なのだろうか?

このまちのホテルの宿泊料はシーズンオフとは言えたったの11ドル(1200円)だった。1月第3週、雪が道路に積もって歩きにくい。ホテルは場末ではない。ただ、★星がないツーリストホテルで、有名でないだけでこの価格だ。わたしはここに居座り、あちこちの街を取材するつもりだ。それで美人に見つかったかと聞かれれば、わからないというのが本根だ。

この街のは外国人観光客もいるし、隣国から大勢のおんなたちが出稼ぎにきている。区別などつかない。ウクライナの言葉を話していたら、それがウクライナ人だろと思われるが、みんなロシア語をしゃべている。

ここの経済状態を聞きたくて、街のおとこたちと話すと、肝心なところに来ると、「ゴボリテ ポ ラスキ?」と決まって聞かれる。ロシア語は話せるか? 彼らの英語も片言なら、わたしのロシア語にいたっては「ノー ラスキ」とちゃんぽんだ。

英語は観光客が行動する範囲だけで通じるにすぎない。そして、おどろくべきことにウクライナ語とは首相に就任するおとこですら、就任演説のために勉強するぐらいで、ウクライナ語は西部の一;;方言に過ぎない。

 観光客が行動できる範囲、つまり、英語圏は町の中心部に限り、そこにある店はまるでヨーロッパの町並みだ。そして、値段はユーロである。価格だけユーロ圏なのが嘆かわしい。ロシア語が話せないと取材できる範囲が恐ろしくせまい。だから本当にこの国の状態を伝えることはできない。

ミラ・ボンジョビッチが最初にハリウッド映画スターに駆け上がった。そして、あと釜をミラ・クニスが引き継いだ。そのイメージもあり、北欧の美人国として名をとどろかせているが、意外や意外、スポーツバーにたむろする男たちに言わせれば「隣のエストニアのタリンに行けば本物の美人たちが腐るほどいるよ」と教えてくれた。

実はウクライナの男にとってはウクライナレベルがあたり前なのであって、オランダのアムステルダムやドイツ女、ロシア女のほうがブサイクすぎるからだそうだ(笑)。

そういわれれば納得してしまう。それに気がついたことがもうひとつ。本当に綺麗なさかりの17-23才の娘は、それほどこの街にいるわけではない。高校、大学生が街にあふれている時期なら、そう思えるかもしれないという。

この事実を戦略的にとっているのがエストニアである。いわば軍隊のように精鋭の美人を街に配置するのは、祭りのシーズン、これは豪華客船がこの街の港に寄港する日と重ねてある。その日に現われるのがこの美人の精鋭部隊である。

このトリックに気づくまでには日にちがかかる。だいたい

平日はおばさんがタリンの街で客の相手をしているのだ。おばさんは美人だったと聞かれれば、「昔はそうだったかもね」と微笑んでくれた。聞くほうも聞くほうで失礼だが、観光客の多くがこの街が世界でもっと美人が多いというキャッチフレーズに惑わされていることをわかっているから、本人も笑わざるをえないのだ。(笑)

 犯罪もある。若者には仕事がない。ソ連邦から独立を果たしものの国の規模があまりにも小さく、資源にも恵まれない。だからといって教養をきわめようと思いタリン大学で学んだとしても就職先があるわけではない。タリン大学は日本の東大に相当する。自らベンチャー企業を起こすほどの資金も集らず、また、それを真似るほどの経験もない。社会主義国だったのだから当たり前だ。そうなると、この国に海外からの投資を呼び込むことしか他にすることはないではないか。

決して、治安がいいわけではない。暗くなると市街地でも出歩かないほうがいい。外国人を1人しめれば1000ユーロが手に入るかも知れない。半年は暮らせる。うまく行けば1年は暮らせる。観光をのぞくと現金収入が閉ざされた街では、これといって働き口は農業や牧畜ぐらい。最近、海外からの投資で成功したのは学費の高い医者や歯科技工士、薬剤師を育てる専門学校の誘致が決まった。

 

 いったい日本の厚生労働省はこの国のいったい何を手本にしてマイナンバー制度の導入へ踏み切ったのだろうか? まさか、ハニートラップでもひっかかったのではないかと首をかしげてしまう。

 

エストニア、リトニアのリガについてはまた、あとにふれるとして、日本の厚生労働省をはじめとした政府機関はロシアの実態のなにを見て、このマイナンバー制度の導入に踏み切ったのかが問われる。たしかにエリチィン大統領の心臓バイパス手術と大統領末期に起こった空前のロシアバブルの崩壊、それに続く、プーチン大統領時代の小康状態。プーチンマジック、これをみて、税金や消費税、市町村民税、年金、集めれるものは何でもしらみつぶしに徴収すれば、国の財政は改善すると信じた。

ところが現実には日本国民の一人ひとりはリーマンショック東日本大震災、そして、今回の中国発世界恐慌で、ほとんど預貯金を失っており、青息吐息になっている。

ロシアは世界最大の資源国で、国営企業を民間に払い下げ、世界では前例のない大掛かりな経済変革を行った。エリチィン大統領時代の末期に生じた経済危機、デフォルト(債務不履行)は、あまりに例のない経済政策の急激な転換により、西側で発生した心理的なパニックが引き金となった。ロシアの資源は豊富で本質的には裕福なことはなにも変わりないのである。踊ったのは西側の投資家で金の亡者だけだ。

当然のように、時間が過ぎれば経済はもとに回復する。これをいかにもKGB出身のウラジミール・プーチン氏の税金回収の仕組みを見直し徹底したというモスクワ発のローカルニュースがおだてあげた。このマスコミが作ったはなしを日本人官僚は真に受けたのだろうか?

 

 面白い話がある。ロシア人はウォッカを飲みすぎて、仕事に来なくなる労働者が多すぎて禁酒法を制定した。そして、さらに追い討ちをかけた。離婚した場合、夫がこどもの養育費に自身の給料の2分の1を国が天引きして、妻の口座へ振り込んでしまう。

2度離婚するへまな男は働いても一銭にもならないから「密造酒をぶっ倒れるまで呑む!」という話だ。

つまり、国が手出しをしてはいけないところに踏み込んでしまえば国民は働くことをあきらめるのだ。

重要なことは、国公務員を含め公務員が、国民にぶらさがって生きていることに早く気づかなければならない。国民の収入が急激に減少しているのに、これまでどうり金を使いたい官僚は、とんでもない思い違いをしている。ゴルフ税も考えた。消費税を2ケタにすることを前提にしているのが不思議でならない。そうではなく、しなければならないのは税収の徹底徴収ではなく、国家支出のダウンサイジングである。

 

 哀しい東京発ローカルニュース

 

 地元住民からあれほど指摘されて、マスコミにも騒がれた長良川河口堰建設、有明海の堰、離島振興法でまったく必要としない、誰も使わない港の建設。いらない滑走路、空港建設、秋田県の年間6カ月以上の使えない縦断道路の建設、北海道での河の直線工事(河の3面張り工法)、それだけではない、各港を管理運営する全国の市が海外の港へ行ってポートセールスする観光のような集団旅行。これら全部、国民に支払いのつけが来ているのだ。そもそもその機関ひつようなのかと疑ってしまう。

 それは建設事業で地元に還元しているという嘘はもはやこどもでもおかしいと思いはじめている。

 

観光の目玉に名古屋城天守閣を再建したいと思った、名古屋市の河村市長は高校生が集った公開討論を行った。市長は中国をはじめ旅行客が増えていること、さらに天守閣を再建するとその経済効果は数億円をくだらないと高校生を前に自信満々にはなした。

ところが、高校生に、「市長はみんなの同意を得たうえで行ってください」と釘をさされた。しかし、老人は考えを変えなかった。すでに徳川喜家の境地なのか、最近は「切腹を覚悟で天守閣を再建する」とかたくなに我を通すのだった。官僚も政治家も市民とはかけ離れた皮膚感覚をもつようになる。ひとの金で生活するとこういう人種が育つのだろう。減税を掲げて票を獲得したのに、また、裁判官が姑息な勧告する。

市役所職員の給料をあげろと公務員同士でかばい合う。そして、賃上げが決まった。同時に市会議員の年収も倍の1500万円超になった。まさにこの時期にしか行えない早業である。

なにも決めれないのに自分たちの私腹だけは肥やしている。つまりデェフォルトの崩壊前、財政危機のギリシャの話とまったく同じだ。ローカル発のニュースは地元宣伝と崩壊がクロスフェード(同時に重なる)するから当分目が離せない。いっそのこと、この名古屋市議会の観覧と、天守閣のない名古屋城をセットにして観光の目玉にしたらどうだろう?

 

 

 

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