ReuterJapanNews’s Dialy

バンコク駐在記者。ヤンゴンからチン州ミンダットに転戦。国際NGOと連携して国軍の攻撃から逃れる難民を救おうと頑張っています。

中国発 世界恐慌 鬼商城とロプノールの謎

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西域で中国最大の資源開発が始まった悲劇

炎となって出現

100mクレーターと祝砲と爆死

天津港に近い天津濱海新区に直径100メートルのクレーターが出現した。天津瑞海国際物流公司の化学薬品物倉庫が爆発してできた穴である。日本のジャーナリストが何人か真相を探ろうとして現地に潜りこんだが真相は摘めなかった。死傷者162名、行方不明11名、負傷者700名を出す大惨事である。捜査当局は犯人探しに躍起だ。

中国の祝賀に必ずある組織から爆弾が見舞われる。その背景には長い歴史の間に見え隠れする民族問題が導火線につながっている。さらに新シルクロード構想の一角を占めるインドシナ高速鉄道も次の標的になるのか。受注していたら日本も巻き込まれるところだった。なぜならシルクロードの果てに憤懣を抱えた民族の拠点があるからだ。今の中国にいったい何が起きているのか?

この爆破事件は日にちの謎を追っていくと二重奏であることがわかる。

爆発の凄まじい衝撃は2㌔先のトヨタの現地合弁工場(奥側)にも及んでいた。

 反スパイ法が施行された途端、日本人50代2人が逮捕された。彼らはジャーナリストではない。さらにもうひとり(60代)も逮捕されていた。計3人である。

 

 

背景はこうだ。

天津は「中国天津自由貿易試験区」に指定され、重点的に投資を行い、経済成長を促進させる計画を実行中。習近平(しゅう・ちんぴん 62歳)はその宣伝のため、天津では北載河会議を開催する直前だった。そして、この大爆発事故である。

上海株暴落、投身自殺、人民元の引き下げ、鬼商城顕在化、巨額負債の暴露と海外と国内からの「中国発大恐慌」の不安を払拭するため、この地でアピールしようとしていた矢先だった。

「それはもう、なりふり構ってられませんよ。爆風で近所のマンションの窓や壁は飛び散って、住んでいた住人は命からがらで、怪我をしなかったひとは住む家を失ったからです」と現地の商店主。

「こんな時にのこのこ現れて、天津がどうだこうだ経済特区だといっても誰も嬉しくはない。それより、どうなっているのか真相を突き止めてほしい」と思っている。

写真 トヨタの自動車4700台がペシャンコになっていた。

 鬼商城が意外な形になって出現した。天津の化学薬品倉庫爆発事故。実は危険物の倉庫だった。そこに縦に4列ほど野積みされていたコンテナを消火していた消防隊員は一言も発することができず、身体が飛び散った。その凄まじい爆破は10キロ以上先までとどろいた。2度の爆破でトヨタの完成車4700台が歪んだ形に整形された。その写真はずっと、表に出ていない。爆発事故の凄まじさと全貌が世界に知れるのを中国当局は抑えていた。日系大手化粧品メーカーはあまりの恐怖についに撤退を決断した。天津瑞海国際物流公司を相手に損害賠償を求め訴訟を起こした。

この爆破事故による総損害額は730億元(1兆3855億円)に及ぶ。

 

日程を追うとその事件の全貌が明らかになった。

 

8月12日早朝 官製メディア人民日報が、党最高官部だった

周永康(72歳)を無期懲役を下し、党の腐敗政治には断固として闘う習金平体制を讃える論評をPR。(注1)

8月12日夜 習近平共産党代表就任1000日の祝賀パーティー

12日深夜 天津化学工場の大爆発。162人が"爆死”。700名負傷、11名行方不明。 

13日 経済起死回生策を天津特区へ現地入りし、習近平の経済政策不安を国内外へ払拭するアピール。不発に終わる。

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これは習体制への露骨な嫌がらせとしか考えられない。爆破計画であったことがわかる。もちろん習金平・共産党主席就任1000日パーティの”祝砲”ではない。

ではなぜ、爆破しなければならないほど、習は嫌われているのか? それは習体制を快く思わない人々が大勢いるからだ。そして、中国の奥深いとこるに潜む闇の組織が幾つも存在するからである。

習近平は、

直後の警察。軍幹部2名を逮捕した。

日本のマスコミにつながる人物とされる日本人2人を逮捕。刑事罰を免れない。従来は国外退去で済んでいたが拘束されたまま政治駆け引きのコマに使われる恐れがある。

 

天津のマンハッタン計画は今はなんとゴーストタウン。

 

注1 周永康は警察、軍を指導するもと党最高幹部。習金平は国民から長い間、不満が集積して党の腐敗を周断罪(無期懲役)することでかわそうとした。その裁判は周到に天津地裁で行われた。習近平は子飼いの家臣、黄興国(60歳)を天津市のトップに据え、後継者として育成している。後継人事を自ら決めないと、存命中に投獄される可能性も指摘される。

 

 

 

天津一汽トヨタ自動車第一汽車集団との合弁会社)の泰達工場と西青工場。天津一汽トヨタは中国における主力生産拠点の1つで、「カローラ」などを生産している。ここでは中国での年間生産台数の約半数を請け負っているため、その影響が心配される。

泰達工場は爆発現場から約2kmほどしか離れておらず、爆発で窓ガラスが吹き飛ばされた。工場の操業停止に加え、この地域に住む従業員の少なくとも50人が負傷、2つの販売店が営業停止となった。第一汽車集団と共同のR&Dセンターもまた大打撃を被った。

 

 影響を受けたのは、トヨタだけではない。フォルクスワーゲンは数1000台の自動車を爆発によって失い、ランドローバー、ルノーヒュンダイ、三菱などのメーカーも損害を被った。

また、天津の主要港湾のダメージは、中国国内の部品の物流への影響をマツダも困惑する。今回の事故は人的被害も大きく、ブルームバーグによれば、少なくとも114人が死亡、多くの人々が依然として行方不明となっているという。

しかし、この爆発がいかに凄まじい惨劇だったかを物語る写真があった。まっくろ焦げになった人型の燻製の集団である。手を広げ脚を踏ん張った形で息絶えていた。全員、口を開けて叫んでいるようだ。

 

不気味な60の小包爆弾の意味

柳城県でついに連続爆破事件

ベトナムと国境を接するチワン族自治区、柳城県。注3 9月30日午後、連続爆破事件が発生した。7人が死亡、50人以上が負傷した。爆発は商業施設など17ヶ所で発生、無差別テロの様相だった。犯人は地元の33才の男を容疑者として逮捕。背後関係を捜査している。

中国公安省は現地に専門チームを派遣し、この柳城県出身の男の後ろに新彊ウイグル自治区のテロ組織が関与してないかを突き止めようとしている。

 

現地報道から、

爆破されたのは県の施設、病院、ショッピングモールなど人が集る公共施設ばかりだった。爆破したのは小包の仕掛けられた爆弾で全部で77個、そのうちの17個が爆発、さらに爆発していない60個が見つかった。

この60という数字に恐怖を呼び覚ます意味が隠されていた。

 

「とうてい一人の犯行ではないですよ。少なくても3ー5人いないとできない犯行です」と地元警察関係者。

犯行の日に注目してほしい。翌日の10日1日は中国の共産党政権が誕生して66回目の国慶節の日である。

さらに同日はウイグル族新彊ウイグル自治区の設立60周年であった。仲間にわれわれだとメッセージを発していた。

そして、われわれは少なくてもあと60回の爆破テロを行うというメッセージだ。

国家主席習近平と最高指導部は北京の天安門広場のパレードに主席していた。国慶節とは中国の建国記念日で、祝賀を祝う”祝砲”が人民を犠牲にしてまで打ち上げられたのである。これほどの憎しみはどこから生まれたのだろう?

この答えをわたしは新彊ウィグル自治区で行われている資源開発をめぐる中国政府と地元少数民族との争いの底流にあったことを見つけた。それはロプノール、あのスウィン・ヘディン隊が発見した古代都市楼蘭とさまよえる湖ロプノールにまで辿らなければわからない複雑な過去が秘められていた。

 

ここから話は二重に進んで行く。1つは中国発世界恐慌へつながる道。そして支配階級の漢族に少数民族ウイグルが苦しみの果てに、立ちあがった結果、テロによる総攻撃に向かった話だ。まるでかつて別れた2つ遺伝子が互いに殺しあい、生き残ろうとする生々しいドラマである。人類絶滅境界線上のアリアより

 

 

桂林の小学校前で爆発、死亡2名・負傷44名(内中学生22名)

 2013年9月9日朝、外国人観光客が多く訪れる広西チワン族自治区桂林市の小学校付近で爆発事件があり少なくとも2人が死亡、23人が負傷した。負傷者に小学生も含まれて最終的には44名になった。公安当局は爆発の原因や被害状況を調べている。

 目撃者によると、付近を通り掛かった三輪車が爆発した。北京の日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。インターネット上には遺体とみられるものや3輪バイク、ガラスの破片が路上に散乱した様子を撮影した写真が「爆発現場」として投稿されている。桂林は川沿いに山水画のような山々が連なる観光地で知られ、毎年日本などから多くの旅行客が訪れる。この事件が今回のチワン族自治区連続爆破事件の"点"でついに"線"とつながる。

 

注3 広西チワン族自治区とよばれ少数民族とされるチワン族がこの地帯に約1500万人が押し込められている。

 

 

 

 

 

ソウル発

中国の国内需要が急速に衰えている。それは韓国ソウルから第一報が流れてきた。

 

 「納品したのに製品が売れないという理由で支払ってもらえない」。中国代理商が訴えていた。中国で異変が起こっている。

 

 「今までプラスチック製品8万ドル分を出荷する際、45日以内に送金してもらう条件で、中国に輸出していたのに、(中国の代理商側が)販売が思わしくないと、一方的に支払いを断ってきた」。韓国内のあるプラスチックメーカーの訴えだ。

そして、中国経済はついに最終コーナーを回った。つまり、経済の底がぬけたのである。

 

 

経済が成功しないと不満が爆発する中国

400兆円ー(注2) この天文学的な数字は上海株暴落で中国が被った損失額である。ビルから飛び降り自殺するひとがでた上海株の暴落で実に400兆円もの損失を出していた。長い間をかけ種銭を作った中国人は一瞬で全財産を失ったばかりか、投資ファンドのように知人や友人、親戚から金をかき集めて、上海株に投資した股民(株式投資を生業にしようとする人々)を地獄に突き落とした。

 

中国発世界恐慌 鬼商城とロプノールの謎

中国発世界恐慌 鬼商城とロプノールの謎